猫男爵と人形
付き合いが長ければ長いほど、相手の悪い部分が目に付いてうんざりすることがある。
かく言う俺ことムタ様も、長い付き合いであるバロンのキザ加減にはうんざり通り越して呆れてしまうんだが、
「ケントはそういうことねぇのか?」
「はい?」
いつもにこにことバロンの隣で笑ってる、奴の助手はどうなんだろうと少し興味を覚えた。
ミルクを用意していた手を止めて首を傾げるケントは、確か俺以上にバロンとの付き合いが長いはずだ。
「何がですか?」
「だからほら、何だ…バロンに対して不満の一つや二つ、あるんじゃねぇのか?」
俺の言葉にピクッと耳が動く。
ただし反応したのは目の前のケントではなく、俺達のすぐ側で英字新聞を読んでいたキザな紳士の方だった。
お、何だ?
気になるのか、この野郎。
そう口には出さずニヤニヤ笑ってやれば、わざとらしく溜息を吐いて新聞から顔を上げたバロン。
何か言おうと口を開きかけたが、その前に相変わらずにこにこと笑うケントがそれを遮った。
「不満なんてありませんよ。今のままで僕は充分、満たされてますから。」
「!ケント…」
…何というか、思いっ切り当てられてしまった。
こんなはずではなかったと思わず舌打ち。
ふと我に返ったバロンが咳ばらいを一つし、ケントに紅茶のおかわりを頼む。
そしてその後ろ姿を見送ってようやく、俺の方に向き直った。
「…おかしなことを聞くじゃない。」
「んだよ?俺ぁ、お前らのことを考えてだなぁ…」
「余計なお世話だ。私とケントは上手くやっている。」
さっきはあからさまにホッとしていた癖に、どの口が言ってやがる。
その内、実家に帰らせていただきますーなんて言われても知らねぇぜ?と少し脅してやれば、
「金色の獅子が解散宣言しない限り、ケントがここを出て行くことなどありえないよ。」
何だそりゃ。
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(ふふ…『猫の事務所』ですね。)
(?ここが何だって?)
(あれ?読んだことありません?)
(読む??)
(こいつに何を言っても無駄だよ、ケント。あぁ、紅茶ありがとう。)
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アンケートより。
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嘘つき、ロンリー。