鉱山少年と料理人


隣町の買い出しから帰ってくると、何だか町が騒がしかった。


「へぇ、パズーが?」

「あぁ!空賊から女の子を守るために必死になってよ、」

「空賊だけじゃねぇ。軍隊からも追われてたなぁ。」

「……あいつ、マジで何したの?」


早く鉱山の男らしくなりたい!と言っていた幼なじみ。

思えば、この時から何かがおかしかった気がする。






翌日。

うちの店の常連客で、軍の下っ端連中の愚痴を聞いていた。


「は?パズーが?」

「ん、あぁ…そういやアレ、ケントの幼なじみだったっけか?」

「忘れろ忘れろ。ありゃあもう立派な空賊の一味だ。」

「……つかアイツ、空賊に追われてたんじゃねぇのか?」


軍基地を襲撃した空賊連中。

その中にいたという幼なじみは、とうとうグレてしまったのだろうか。


(ラピュタの話、馬鹿にしないで聞くべきだったか…)






数日後。

久しぶりに会った幼なじみはどこか精悍な顔付きになっていて、隣には可愛い女の子がいた。


「おま、パズー!?」

「ケント!心配かけてごめん!色々あってさ…あぁ、シータ。彼が前に話した幼なじみのケントだよ。」

「初めまして。」

「あ、初めまして…じゃねぇよ!え、何?もしかして彼女!?こんな可愛い子がお前の彼女!?」

「俺達、これからシータの故郷に行くんだ。戻ってきたらケントのパスタ、また食べさせてくれよな!」

「私も楽しみにしてるね。」

「おぉ、うちのパスタは世界一…って話を聞けぇぇぇぇっ!!」


一切言葉のキャッチボールを成功させることなく、去って行った幼なじみとその彼女(仮)。

二人の後ろ姿を見送った俺は、ここ数日間の急な変化に追いつけず精神的に疲れきっていた。


「…もう、どうでもいいや…」





---------------
そしてこの数時間後。

店長と喧嘩して、空賊に拉致されたりされなかったり。



戻る

嘘つき、ロンリー。