大柄な白猫と小さな茶虎


のそのそと動く大きな白に、その後ろをとてとてと追う小さな茶色。

必死に置いて行かれまいとする姿が何とも微笑ましく、いつまでも上空から眺めていたかったが、しばらくするとトトは下降し始めた。


「やぁ、お二人さん。お出かけかい?」

「何だ、てめぇか…」


端から喧嘩腰のムタを無視し、ケントの方へと目を向ける。

突然立ち止まったムタにぶつかったのか、鼻面を押さえて蹲るケントはまだトトの存在に気付いていないようだ。


「ケントも大変だねぇ…こんなブタ猫に無理して付き合うことはないんだよ?」

「おい、こら。誰がブタ猫だ!この靴墨野郎!」

「と、トトさん…?」


ようやく顔を上げたケントは少し涙目だが、すぐにふにゃんと気の抜けるような笑みを浮かべる。

そして「こんちはぁ」と一拍遅れの挨拶。


「はいはい、こんにちは。それで今からどこへ行くんだい?」

「今からですか?今からですねぇ…ふにゃっ!?」


トトの問いに答えようとしていたケントの体がひょいっと宙に浮かぶ。

犯人は先程まで白い毛を逆立ててトトを威嚇していたムタだ。


「ちょ、アニキ!アニキ!?どうしたんですか、一体!」


首根っこを銜えられたケントはバタバタと手足を振り回すが、特にムタが堪える様子はない。

口に銜えているせいで答えることも出来ないが、その姿に吹き出したトトを一睨みすることは忘れなかった。


「くくっ…放しておやりよ、ムタ。ケントが痛そうじゃあないか。」

「………」

「いや、そんな見た目ほど痛くは…ってアニキ!まだ話の途ちゅ、」


フンッと鼻を鳴らして顔を背けたムタは制止も聞かず、ケントを銜えたまま駆け出した。

遠くから「トトさーん、また今度ー」と呑気な声が聞こえ、トトはまた吹き出すのだった。




どこかで見た光景

いや、あれは黒猫だったか。

(そして白と茶色の二匹は無事、昼寝スポットにたどり着くことが出来ましたとさ。)


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63000hitより。
キリリクありがとうございました!




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嘘つき、ロンリー。