巷で噂の魔法使いと兄弟子01
ほとんど拉致に近い、弟弟子による茶会への招待。
そんな所業もいつものことだと簡単に受け入れ、一切警戒しなかった自分が腹立たしい。
勿論、一番殴ってやりたいのは弟弟子だが。
「おまっ…なに入れ、やがった…っ?」
気付いた時には最早手遅れで、すでに喉を通り過ぎていたそれは一気に身体中に広まっていた。
驚いた拍子に取り落としたカップの中身が少々膝に掛かったが、内側から発する熱のせいでその熱ささえも気にならない。
目眩がしそうだ。
「ケントも興味あっただろう?『惚れ薬』。」
「っ、あほかっ…」
要するに『媚薬』。
たった一口でこの効力とは、ハウルが分量を間違えたとしか思えない。
だが「君のことだから、きっと一口目で気付くと思っていたよ」なんて笑うハウルに、気付かず全てを飲み干していたらと思うとゾッとする。
「げどっ…解毒薬、はっ!」
「毒なんて人聞きが悪いなぁ。」
「ハゥ、ルっ…!」
「大丈夫だよ、ケント。効果はものの数分で切れるよ…ただし、やることをやれば、の話だけどね。」
生憎俺は「何を」なんて聞き返すほど初ではなく、近付いてきたハウルに抵抗するだけの余裕もなかった。
ただ黙って抱き上げられ、寝室に向かう間も声を我慢するのに精一杯だった。
「ねぇ、ケント。もう一度、僕の名前を呼んでくれるかい?」
そしてベッドに放り投げられ、覆い被さってきたハウルを見上げて内心舌打ちする。
きっとこれは「ものの数分」では終わらない、と。
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(悪戯にも程がある)
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嘘つき、ロンリー。