空賊三男と仲間


三兄弟の三番目。

他の乗組員の中でも恐らく最年少。


そんな環境が、奴の末っ子気質をより増長させたのだろう。


そう思わなければ、俺は現在の状況に納得することが出来なかった。


「なぁなぁケント!あれ!あれ見よう!」

「ちょっ…待てって!おい!」


食料の買い出しのため、久々に訪れた街中。

気付けばアンリに手を握られ、それを振り払う間もなく、あちらこちらに引っ張り回される羽目になっていた。


何かを見つける度に走り出すアンリは、末っ子と言うよりむしろ大きな子供の方が似合うかもしれない。


(というかこれ、兄貴のシャルルかルイの役目だろ?)


普段から付き纏われて迷惑していると言うのに、何故俺が船の外でも面倒見なければならないのか。

どっちでもいいから変われ!と振り向けば、ニヤニヤと笑いながらこちらに手を振る二人の姿。


ルイの口元が「頑張れよー」と動くのが見え、思わず舌打ちした。


「あの野郎、後で覚えとけよ…」

「ケントー?」


前方から暢気な声が掛かり、ふと我に返る。

いつの間にか俺達は何かの店先に立ち止まっていて、売り子の女性が何やら微笑ましそうに笑っていた。








彼は未だ気付かない

(いい年した男二人が手を繋ぐ光景)
(片割れは白いスーツにピンクのシャツ、そして黄色の蝶ネクタイ)

(目立たない訳がありませんよね)


---------------
43500hitより。
キリリクありがとうございました!




戻る

嘘つき、ロンリー。