病弱な少年と又従兄弟


手を伸ばせば届く距離








「いい天気だな。」


声につられて振り向けば、目を細め、空を振り仰ぐ再従兄弟の姿があった。


同年代の中で頭一つ分は飛び出そうな身長に、運動部らしい黒い短髪。

室内競技の割にほど好く焼けた肌が眩しくて、それと同時に少しだけ罪悪感を感じた。


「…ケント君、」

「ん?」

「ここにいても、退屈じゃない?」


こんなにいい天気なのに、彼はこの庭から出ることが出来ない。


僕が、彼をここに閉じ込めている。


本当は他にやりたいことがあるんじゃないか、とか。

誰かと約束があったんじゃないか、とか。


日の当たる場所で彼の姿を目にする度に、ぐるぐるとそんなことを考えてしまって


「いいん、だよ?僕のことは、気にしないで」



不意に、目が合った。



「俺といるのは退屈か?」

「、え、」


質問に返される質問。

それ以上に真っ直ぐに向けられた視線に戸惑って、僕は上手く返事をすることが出来なかった。

ケント君が目を細める。


「俺は翔と一緒にいるの、結構好きだけどな。」


それが微笑んでいるんだと気付いた瞬間、一瞬息が詰まる。

胸に心地好い痛みが走った。


「……ずるいなぁ…」


ケント君も、僕も。

そして気恥ずかしさに少し俯いていると、視界にケント君の足が入って来る。


どくどくと、鼓動の音が聞こえてきそうだった。





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背伸びすれば、触れる距離

(何が、なんて聞くのは野暮ですよ)


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アンケートより。
リクエストありがとうございました!




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嘘つき、ロンリー。