病弱な少年と又従兄弟


「行きたいところ?」

「あぁ、どこかあるか?」


世界の絶景を集めた、写真集。

ケント君が持ってきたそれをベッドに二人並んで腰掛けて一緒に眺めていると、不意にそんなことを尋ねられた。


「それは、ケント君が連れて行ってくれるの?」

「勿論。」

「海外でも?」

「翔が行きたいなら。」


ケント君ならきっとその言葉通り、いつか本当に僕を連れて行ってくれるだろう。

だけど、写真に目を落としたままのその横顔を見つめていると、何だかケント君自身が行きたそうにしているような気がして思わず笑ってしまった。


そんな僕の様子に気付いたのか、ケント君はようやく顔を上げて不思議そうに首を傾げる。


「翔?」

「ううん、ごめん。何でもない。ケント君は?どこに行きたい?」

「俺は別に…あぁ、でも移動は飛行機とかより船がいいな。」

「船?」

「船。」


そう言ってケント君が次のページを捲ると、一面に広がる青色。


一瞬、空だと思った。

多分それはケント君も同じだったはず。


そして、その真ん中にぽっかりと浮かんだそれに気が付くと、僕らは顔を見合わせて小さく笑った。







さぁ、準備はいいかい?

(ナイスタイミングだ。)
(凄い…まるで飛んでいるみたいだね。)


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124500hitより。
キリリクありがとうございました!




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嘘つき、ロンリー。