生徒会長と同級生
「んなもん、自分らでどうにかしろよ…」
「俺らには無理だから、こうしてお前に頼んでんだろうが。」
部活中、突然友人らに連れ出されたと思えば、着いた先は文化部部室棟『カルチェラタン』。
運動部の俺には少し縁遠い場所だ。
「というか汚ぇな、ここ…」
「どの口が言ってんだよ。」
「ケントの部屋も負けず劣らず汚ねぇもんなぁ。」
「…部活に戻ってもいいか?」
そもそも部室に置いてある荷物を移動させたいとかで借り出されたんだが、何だこの仕打ち。
どう考えても人に物を頼む態度ではない。
「ちょ、冗談だって!本気にするなよ!」
「まぁ頑張れ、貧弱系文化部ども。」
「待て待て待て!」
建物中央に位置する吹き抜けでしばしの押し問答。
途中、哲学研究会の奴に何か言われた気がするが、とりあえず無視した。
「分かった分かった!今度、お前の部屋掃除しに行ってやるから!」
「余計なお世話だ、この野郎……あ?」
不意に頭上からぎしぎしと音が聞こえ、顔を上げる。
つられた友人二人も口を閉じて視線を上へ。
「あ、あのっ私にも何か手伝えることはありますか?」
「勿論、人手が増えるのは大歓迎だよ。」
制服姿の男女が二人、親しげな様子で階段を下りて来る。
どうやらこちらには気付いていないらしい。
「よぉ、生徒会長。」
片方は知った顔だったので声を掛けてみることにした。
するとよほど驚いたのか、目が合った瞬間に「うわ」やら「きゃっ」やら小さな悲鳴を上げ、慌てて体を引き離した。
特に水沼の慌てようが凄い、というか酷い。
眼鏡、ズレてるぞ。
「彼女か?」
「っ、いや!」
「そんなっちちち違いますよっ!」
そう二人揃って否定するが、先程の密着度を見るとあまり説得力がない。
大体彼女でもない女の子の肩を抱かないだろう、普通。
「相変わらずモテるのなぁ。」
しみじみ感想を漏らせば、俺から目を逸らす水沼。
そして「い、行こう、松崎さんっ」と女の子の手を引いてカルチェラタンから出て行ってしまった。
その後ろ姿を見送って、友人の一人が呆然と呟く。
「……俺、あんな水沼、初めて見た…」
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(俺もだ…というか完全に他人の空似だろ、あれ。)
(そうか?公の場以外だとあんなもんだろ、うちの生徒会長って。)
((いや、全然違うから。))
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アンケートより。
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嘘つき、ロンリー。