生徒会長と副会長
「人手が足りない?僕も生徒会で忙しい?」
生徒会室に一歩踏み入れたところで、投げ掛けられたのは嘲笑めいた声。
そして神経質そうに机上を指で叩きながら水沼を迎えたのは、一つ年下の後輩だった。
「その割に部室棟に入り浸ってるようじゃないすか、会長。」
「何だ、聞いていたのか。」
平然とそう聞き返す水沼に舌打ちするケント。
明らかにそれは年長者に対する態度ではなかったが、水沼は小さく肩を竦めるだけで、特に咎めはしなかった。
「えぇ、えぇ。あんたが俺に押し付けた書類で二、三確認したいところがあったんで。」
結局、話し掛けそびれてしまいましたがね。
心なしか机を叩くリズムが速まった。
指の下にある数枚の紙は件の書類だろうか。
「カルチェラタンの保存もご友人のキューピッド役も結構ですけどね、少しはこちらを顧みてほしいもんっすわ。」
「それは申し訳ない。だが、」
謝罪しつつ無造作に近寄って行った水沼は、己の手を重ねることでその行為を中断させた。
不意にしん…と静まった生徒会室。
自然と目が合い、水沼は微笑んだ。
「僕の有能なる右腕殿に心配は無用だろう?」
「……そりゃどうも。」
ただ残念ながら、
そう言葉を付け足して、水沼に倣うようにケントも微笑む。
「俺はあんたが『僕』と言ってる時は信用しないようにしてるんすよ。」
そして重ねていた手は、いとも容易く振り払われるのだった。
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そんなんで絆されるようじゃ、右腕なんて務まりませんから。
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アンケートより。
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嘘つき、ロンリー。