空賊三男と相棒
「よっしゃ!行くぜ、相棒!」
早々に昼食を食べ終えたケントは一人、そう言って勢い良く立ち上がる。
だが促された当のアンリはポカンとケントを見上げるばかりで反応が鈍かった。
しかもまだ食べている途中で、その頬にはソースが付いている。
「え、何?買い出し当番だっけ?」
「ばっかやろう!久しぶりの下界!久しぶりの街!久しぶりの自由時間!とくれば、ナンパに決まってんだろ!」
空中海賊と銘打っているだけのことはあり、その活動領域はほとんど空だ。
下手すれば何日も着地しないことも多く、そして当然ながら出会いは少ない。
そのため同じ年頃で、普段からツルんでいるアンリならすぐさま賛同してくれるとケントは踏んでいたのだが、
「えー…」
「…何だよ?ノリ悪いな、おい。」
やはり反応が鈍い。
むしろここまで来ると、その体調が心配になってきた。
現に、今まで二人のやりとりを見守っていた仲間の一人がアンリに「大丈夫か?」と声を掛ける。
「なぁ、ケント。今回は諦めた方がいいんじゃねぇか?」
「だってよぉ…」
「それか一人で行ってきたらどうだ?」
仲間達の説得に対し、首を縦に振らないケント。
そして拳を握る。
「一対一は失敗の恐れがある…でも二対二なら無限の可能性があるんだよ…!」
くだらねぇ…
そんな誰かの心の声が聞こえるような気がした。
「なら俺が、」
「ちょびヒゲ野郎はお呼びじゃねぇ。」
「何ぃっ!?」
「じゃあ俺は?」
さらにくだらない喧嘩を始めたケントとルイ、おまけのシャルルを余所に、アンリは「ごちそうさまー」とマイペースに食事を終える。
その瞬間を見計らったケントは最後の賭けに出た。
「じゃあ奢ってやるから付き合ってくれ!」
「!行く!」
結局はそうなるのか。
特にアンリの体調を心配した面々は何だか損した気分になりながら、またそれぞれの食事へと戻る。
だが、
「…なぁ、どう思う?」
「ケントが奢るだけ奢ってナンパ失敗に一票。」
「「「同じく。」」」
賭けにならない賭けに、誰とはなしに溜息をこぼすのだった。
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(それで?どうだったんだ?)
(……聞くんじゃねぇ…)
(いやー、楽しかったな!ケント!)
それを世間じゃ何と呼ぶか知ってます?
ただのデートって言うんですよ。
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アンケートより。
リクエストありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。