特務大佐と王族少年
※シータ成り代わり(♂)
※変態注意?
飛行石だとかラピュタだとか。
何もかもがあまりに突然すぎて、俺には全く訳が分からなかった。
が、
「流行りの服は嫌いですか?」
とりあえず、目の前の男が変質者であることだけはまず間違いないだろう。
ムスカ大佐と名乗っていたが、軍の関係者だなんて俺は信じない。
「…いや、好き嫌い以前に俺、男ですから。」
「知っているとも。」
「え、知った上でそれ?ますます質が悪いですよ。」
着替えに、と用意されたそれはどこからどう見ても明らかに女物。
というか、
メイド服が流行りって一体どこの話だ。
(しかも無駄に丈は短いし…)
逃亡中に知り合った、パズーという同い年くらいの少年にしてもそうだ。
俺のことを「天使だ!」と騒ぎ立て、挙げ句変装のために服を借りれば
鼻血を出す始末。
奴らは一体、俺に何を求めているのか。
谷で一人きりの生活が長かったせいで、世間一般の常識とズレが生じてしまったとでも言うのだろうか。
だとしても、そのズレを埋めようとは思わないが。
「まぁ、一度袖を通してみたらどうだね?」
「いや、だから着ないって……」
ふとムスカ大佐(仮)の異変に気付いて、思わず後退した。
鼻息荒く、サングラスの奥にある目も血走っている、ような気がする。
しかも次第にジリジリとこっちに、
「ちょ、何で近寄って来るんです…?」
「着替えるのを手伝おうじゃないか。」
その手にはばっちりとメイド服。
俺は思わず短い悲鳴を上げ、近くにあった瓶を掴むのだった。
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大佐(仮)を気絶させたのはこれで二度目だったが、回収に来た黒眼鏡達は何も言わなかった。
というか気まずそうに目も合わせなかった。
(あぁ、早くゴンドアの谷に帰りたい…)
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嘘つき、ロンリー。