巷で噂の魔法使いと兄弟子
『ケント。』
名前を呼ばれた瞬間、目の前が突然明るくなった。
それと同時に、そこに広がっていたはずの世界は消え失せ、並んでいたのは白黒の活字達だけ。
少し眩暈のようなものを感じながら本から顔を上げれば、柔らかな表情でこちらを見下ろす己が師と目が合った。
『先生…』
『貴方はまた明かりも点けず、夢中になっていたようですね。』
『…すみません。』
呆れを含んだ苦笑から逃れるように立ち上がろうとして、ようやく膝の上に乗っていた「それ」に気が付いた。
そして、先生が抱えていたタオルケットの意味にも。
なんて昔の記憶が蘇ってしまったのは、恐らくあの時と似た状況にいるからだろう。
いつの間にか辺りは薄暗く、持っていた本も気付けば読みづらくなっている。
「…カルシファー、明かりを頼む。」
そして暖炉に向かって声を掛けた俺の膝の上には、あの時より少し重くなった「それ」が、あの時とは違う色となって乗っていた。
【
oasis】
(もう少しだけ、ここで休んでいこうか)
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元拍手お礼文
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嘘つき、ロンリー。