巷で噂の魔法使いと兄弟子


自他共に認める「本の虫」である彼は、一度夢中になると何があってもそれに気付かなかった。

唯一、その心を現し世に呼び戻すことが出来たのは、二人の師である彼の人だけ。


一体どんな魔法を使っているのかと真剣に問い掛ければ、「私はただ頃合いを見計らって声を掛けているだけですよ」と苦笑されてしまったが。


『…ケント。』


ただひたすら待つだけの時間は長くて淋しい。

それでも自分は、少しでもその側に居たくて―…




彼は、何をされても、気付かなかった。

昔から、そうだった。




「カルシファー、明かりを頼む。」


頭上から聞こえてきたその声が、タイムリミットを告げる。


すでに膝の上にいる自分にも気付いているだろう。

ならば相手が怒って「帰る」と言い出すより先に、こちらから謝った方が利口に違いない。


そう思い、身を起こそうとした瞬間。


「……ハウルは、よく眠っているみたいだな…」


ぼそりとこぼれ落ちた声と共に、そっと優しく頭を撫でられたのだった。





【paradise】

(もう少しだけ、このまま)


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元拍手お礼文



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嘘つき、ロンリー。