巷で噂の魔法使いと兄弟子
差し出した手をしばし見つめ、結局静かに首を横に振った兄弟子に、ハウルは思わず、え、と小さく声を漏らしてしまった。
「どうして?ケントも興味あるだろう?」
「まぁ、ないって言ったら正直嘘になるが…」
「なら一緒に、」
「先生が言ってただろ。」
荒れ地には近寄るな。
そうこれまでに散々師から受けた忠告を、ここで再び繰り返されれば面白くはない。
なんて不満が顔に出ていたらしく、それを察したケントがそっと溜め息を吐き出す。
「とにかく、俺は行かないからな。」
「ケント。」
「お前も止めとけよ。じゃあな。」
「、待っ」
言うが早いか向けられた背中に慌てて手を伸ばした。
だが、何故かすぐそこにいるはずのケントに触れることなく、それは空を掴むだけ。
「ケント、」
「ハウル。」
不意に名前を呼ばれ、反射的に振り返れば―…
「 あぁたのしんぞぉ ちょおだぁぃ? 」
「―…い。おい、起きろよ。ハウル。」
「っ……?」
「大丈夫か?大分魘されてたぞ?」
目を覚ませば、そこは見慣れた動く城の中。
訝しげにこちらを見下ろす兄弟子の姿にハウルは思わず安堵の息を吐いたのだった。
【二兎追う者は一兎をも得ず】
(欲張って二つのことを同時に成し遂げようとしても、結局どちらも失敗に終わる)
(僕にはたった一人、居ればいい)
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元拍手お礼文
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嘘つき、ロンリー。