空軍少佐と義弟
入隊した時点で、ある程度の不自由は覚悟していた。
特にプライベートなどあってないようなもの。
仕方ない、自分は軍人なのだからと、そう自分自身に言い聞かせ続けてきた。
「良い心掛けじゃないか。」
そんな自身の覚悟を話せば、満足げに頷く兄。
正確には従兄弟になるのだが、名称が変わったところで特に何かが変わる訳でもない。
今も昔も変わらず過保護な人である。
が、たった今、言質を取った。
「じゃあ明日から寮に入ります。」
「…何だと?」
「ちょうど空きがあったので、良い機会だと思いまして。寮生活を送ることで心身共に己を鍛えていこうと思います。」
ちなみに手続きはもう済ませてあります。
そう続ければ、フェラーリン少佐はぐうの音も出ないらしく黙り込んでしまった。
完全に事後報告で少々悪い気もしたが、この際構うものか。
そもそも現状がおかしいのだ。
いくら身内とはいえ、やはり上官の家に居候などあまり良いものではない。
これでは公私混同が起きても無理のない話だ。
今のところ身内贔屓だの何だのといった中傷は聞こえてこないが、それもこれも偏にフェラーリン少佐の人柄によるものだろう。
「、だが、」
「良い心掛けだと、つい先程少佐も賛同して下さいましたよね?」
「…………」
得たばかりの言質を盾に、少佐の言葉を遮った。
だが、まだ何か言いたそうにしている。
ここはもう一押し。
「応援してくれるよな?兄ちゃん。」
「く…っ!」
その瞬間、勝敗は決したのだった。
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家族ですもの、弱味はばっちり!
(さて、相談に乗ってくれた先輩には何を贈ろうか。)
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嘘つき、ロンリー。