東の青年と獅子神
※シシ神成り代わり。
「…『生命を司る』なんてよく言われるが、そう大したものではないのだ。」
隣に腰を下ろした青年が、ぽつりと呟く。
いつからそこにいたのだろう。
そう訊ねたくても上手く声を発することが叶わず、青年もこちらを気にすることなく言葉を続けた。
「そもそも生命を宿すのは汝らの父母、そして汝ら自身の役目ではないか。」
怒っているのか泣いているのか、それともその両方か。
少し疲れたような声色に、溜め息のようなものも聞こえてきた。
「…我はただ、ほんの少し手を貸すのみぞ。」
生きたいのなら生きればいい。
少しでも諦めるようならば、勝手に死ね。
そう存外な口調で吐き捨てたかと思えば、青年は腰を上げ、初めてこちらを見下ろした。
「さて、人の子よ。汝にはまだ成すことが残っているのであろう?」
「…シシ神様がお前を生かした。だから生かす。」
目を覚ますと、山犬の姫がそう言って私を見下ろしていた。
少し視線をさ迷わせれば、水の中にヤックルの姿がある。
だが他には誰もいない。
次いで己の右腕が目に入り、私はそっと溜め息を吐いた。
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(それは奇妙な夢だった。)
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嘘つき、ロンリー。