大寿と『黒龍』
※平和軸if未来。
久し振りにみんなで集まって花見をしよう、ということで当日の今日、誰かが上手く予定を調整したらしく、この場にはほとんどの顔ぶれが揃っている。
ただ少し賑やかすぎて誰がどこにいるのかよく分からず、おかげでまだタケミっちにも千冬にも会えていない。
一緒に来ていたタカちゃんはオレを放って兄貴と何かの話で盛り上がっているし、柚葉もヒナちゃん達女の子が集まっているところに行ってしまっている。
なんか少しつまんねぇなぁ…と一人缶チューハイを呷っていると、「八戒、それまだ中身入ってるか?」と不意に声を掛けられた。
振り向けば、追加の買い出しから戻ってきたらしい玄兎くんが一本こっちに差し出していて、オレはそれを受け取った。
「ありがと、玄兎くん。」
「ん、ついでに空き缶はこっちにくれ。」
言われるがまま渡せば、軽く潰して近くにあったゴミ袋に放り込む玄兎くん。
そして、そのままオレの隣に座ったのは多分、近くに兄貴がいたからだろう。
昔から兄貴の「お気に入り」で、今や仕事の片腕でもある玄兎くんとはそれなりに親しくしているつもりだけれど、サシで話すのは何気にこれが初めてかもしれない。
だから、前々から気になっていたことを直接聞いてみることにした。
「玄兎くんってさ、兄貴のどこが好きなの?」
「ブッ?!ゲホッゴホッ…!」
玄兎くんがずっと兄貴と一緒にいるのは、兄貴のワガママで玄兎くんを手放さないからだと思っていた。
でも柚葉に言わせれば「玄兎も物好きなやつだよね」と。
「…いきなり変なこと聞くなよ。」
口元を拭いながら睨むようにこっちを見る玄兎くんに、しばらく返事を待って黙っていると、諦めたような溜め息が聞こえた。
「多分、お前が三ツ谷を好きなのと同じ理由だ。」
多分、違う。
そう思ったけど、何となくそれを口にするのは止めて、適当に納得したフリをしながら貰ったばかりのそれのプルタブを開けた。
【さくら】
花言葉(精神の美)
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嘘つき、ロンリー。