大寿と『黒龍』


※もしかしたら大寿と付き合っているかもしれない世界軸。
※猫の日ネタ。








それは集会が始まる前、大寿の到着を待つ間に起きた。

どういう話の流れだったか、乾と九井と俺の三人で暇潰しに賭けをすることになったのだが、「負けたら罰ゲーム」と九井が言い出した時点で何となく嫌な予感はしていた。


普段なら間違いなく「罰金」を要求するはずの九井が「罰ゲーム」。

しかも「準備はしてある」とニヤニヤ笑いながらこちらを見る辺り、初めから全て計画の上だったのだろう。

気付いてすぐ降りようとしたものの、その反応もまた見越していたらしい九井に煽るだけ煽られ、売り言葉に買い言葉。


まずい、と我に帰った時には賭けがスタートしてしまい―…








結果、乾の一人勝ちに終わり、俺と九井は特攻服に猫耳という何とも間の抜けた姿を晒すことになった。


「お前も負けてんじゃねぇか。」

「…ウルセー…」


苦々しく吐き捨てる九井は大方俺を笑いものにするだけでは飽き足らず、あわよくば乾の猫耳姿も見てみたい、という己の欲望に負けてちゃっかり猫耳を二つ用意してしまったらしい。

自業自得だ。


そしてその場に集まっていた他の兵隊達が必死に俺達から目を逸らす中、「玄兎は犬耳の方が良かったんじゃねぇか?」と的外れの感想を漏らす乾に「犬はテメェだろうが」と喉まで出かかった言葉を何とか飲み込む。


とにかく大寿が来るまでの我慢だ、あいつに見られる前に外せればいい。

そう自分に言い聞かせながら堪えていると、乾が信じられない言葉を続ける。


「ソレ、集会が終わるまで着けてろよ。」

「は?」

「チッ…イヌピーが言うなら仕方ねぇな…」

「おい、待てコラ。」


何勝手に了承してやがる、と九井の胸倉を掴んで引き寄せた瞬間、ざわりと周囲が騒がしくなって本日二度目の嫌な予感がした。



「ボ、ボスが到着されましたっ!」



我らが総長はこのふざけた状況に対し、一体どんな反応をするのか。

笑い飛ばすか殴り飛ばすか、それともその両方か。


一気にその場は緊張感に包まれ、誰もが固唾を飲んで見守る中、大寿は一瞬眉を顰め―…



「揃いの姿で、愉しそうだなァ?あ?」





そっちかよ。

(九井が無言でソレを外したことにより、定例集会は何事もなかったかのように始まったものの)
(結局俺はその日一日、大寿が満足するまで猫耳を外すことが出来なかった)


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嘘つき、ロンリー。