大珠と『美麗』


「あっれー?タイジュくんのカノジョじゃーん。」


倫子に気付いたのは、見覚えのある『美麗』のメンバーだった。

確か名前は、玄兎と呼ばれていたと思う。


玄兎はフラフラと近寄って来たかと思えば、「ちょっと待っててねー」とだけ言って、ユラユラとどこかへ行ってしまった。


(…大珠を呼んできてくれる、のカナ?)


そして素直に待つこと十数分。

だが一向に戻って来る様子のない優男に、とうとう倫子は痺れを切らした。


「大珠呼ぶのにどんだけかかんだよ、くそっ!」


特攻服を掻き分け、玄兎が向かった方向へと進む。

その間にもあちらこちらから声を掛けられ、それぞれに大珠の居場所を聞いてみるものの、人が多過ぎて誰も把握しきれていなかった。


「じゃあ…玄兎だっけ?アイツ、どこ行ったか知ってる?」

「え…」


気休めに、玄兎の行方を尋ねた途端、何故か相手の顔色が変わる。


「玄兎に、頼んじゃったの?」


笑っているような、引き攣っているような微妙な表情。

倫子がその意味が知るのは、それからさらに十数分後のことだった。








罪状は木乃伊窃盗

(あー…ははっ、星が回ってらぁ…)
(うはっ、キレーだねータイジュくんー。)

(っ…テメーら…っ!)


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嘘つき、ロンリー。