ドラケンと同級生
※原作軸過去。
かっこいい、とただそれだけの理由で小学生の時から周囲に無理矢理定着させてきた、通称「ドラケン」。
それを呼ばないのはもっとガキの頃から知っているオトナ達か、「ケンチン」なんてふざけた呼び方をするマイキーぐらいのものだ。
それと、もう一人。
「なぁ、龍宮寺。」
「あ?」
後ろから呼び掛けられた声に、ドラケンは足を止めて振り向いた。
が、余所見をしていたらしい玄兎はそれに気付かず、「うおっ」ともう少しでぶつかりそうになる。
「なんだよ?」
「いや、こんなこと言うのもアレだけどさ…その、道とか合ってる?」
「はぁ?」
「迷ってたりしてね?」
「んなわけねーだろ。家に帰るだけだぞ?」
このドラケンのことを「龍宮寺」と呼ぶ同級生が、ドラケンの家に遊びに行ってみたいと言い出したのは先日のこと。
それを何となく覚えていたドラケンが今日「うち、来るか?」と誘ったのは、お互いに放課後の予定が特に何もなかったからだ。
ほんの軽い気持ちだった。
そして嬉しそうに二つ返事で応えた玄兎の様子が、風俗街に一歩足を踏み入れる手前辺りから少し変わったことにもすぐに気付いていた。
「すげーとこにあるんだな、お前んちって…」
「どーする?止めとくか?」
「うーん…いや、行く。」
「無理すんなって。」
「いや、無理じゃない。噂の特攻服を見るまでは帰れない。」
「何だ、ソレ。」
「あ、そうだ。良かったらさ、記念にちょっとだけ着せてもらってもいいか?」
「記念って…まぁ、別にいいけどよ…」
「よし。じゃあ行こうぜ!」
何をそんなに期待しているのかは分からないが、急に張り切り出した玄兎がドラケンを追い抜いて、どんどん先へと進んでいく。
「お前、道知んねーだろうが?」とドラケンは呆れながらその後に続いた。
建ち並ぶビルに所狭しと存在を主張する看板やらチラシポスターやらは、ドラケンにとって見慣れたもの。
そんな景色の中、前を歩くその後ろ姿だけが違和感だった。
よく見掛けるのは、休み時間に必死に宿題を写す姿。
学校帰りに塾、休みの日にはサッカークラブに通っている、という話を聞いたのはいつだったか。
『俺は「りゅーぐーじ」の方がかっこいいと思うけどなぁ…』
「なぁ、龍宮寺。」
「今度は何だ?」
「特攻服、お前よりも似合ってたらどうする?」
「あ?」
隣に並んだドラケンを見上げて玄兎が笑う。
それに対し、「絶対似合わねーよ」と龍宮寺堅もまた笑ったのだった。
ともだちのいえ
(次、お前んちな。)
(いいけど、うち、何もねぇよ?)
(いいんだよ、別に)
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こっそり悪男祭より。
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嘘つき、ロンリー。