コーディと悪徳警官
煙草を買いに行ってしまったチャドをコーディが車の中で一人待っていると、突然パンッと乾いた音が鳴り響いた。
(じゅ、銃声…!?)
慌てて飛び出そうとしたものの、ドアを開けた瞬間、近くの路地から出てきた姿に気が付いて思わず動きを止めた。
それは見知った顔だった。
だが相手と目が合ってすぐ舌打ちされ、コーディは顔を引き攣らせてしまう。
「玄兎さん…」
苦笑混じりにその名前を呼べば、ますます嫌そうに顔を歪めながらもこちらに近寄ってくる男。
一応コーディの先輩にあたる警官だが、署内よりも街中で遭遇することの方が多く、「そこらのチンピラと大差ない」とはチャドの言葉だ。
そのチンピラと普段比較的親しくしているせいか、チャドと玄兎の関係はそこそこ良好のようにコーディには見えていたが、実際のところはよく分からない。
「お前、一人か?」
「え、まぁ、はい…?」
「チッ…ガキを一人にするなんて、あの人、何考えてやがんだ…」
「ガキ……そう言う玄兎さんだって、また一人で行動してるじゃないですか。怒られますよ。」
「うるせぇな。」
コーディの身体を押して、車の中に押し戻した玄兎も後部座席にその身を滑り込ませた。
端から見れば護送中の警察車輌に見えそうだ、なんて小さく笑うコーディ。
だが、そんな心境を見透かしたかのように乱暴にシートを蹴られ、反射的に肩を竦めた。
「相方はどうしたんです?」
「さっきそこで殺した。」
至極どうでも良さそうに言い放ち、玄兎が煙草を銜える。
その紫煙で車内が充たされる寸前、コーディは仄かに硝煙のようなものを嗅いだような気がした。
嘘の香り
そして戻ってきたチャドは玄兎を一目見るなり、舌打ちするのだった。
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嘘つき、ロンリー。