ミニミと相棒
※カースド。
何でこんなことに。
鼻先を炎が掠め、髪の毛の焦げ付く嫌な臭いがした。
(っ、くそっ…!)
何でこんなことに。
いや、とにかく今は少しでも「奴」から距離を取らなければ。
演習終了直後の、襲撃。
反撃に転じようにも疲れきったこの体では、そもそも接近戦専門の自分では圧倒的に不利だった。
何でこんなことに。
再三振り払っても頭にこびりついて離れないその疑問に、ようやく落ち着いて向き合うことが出来たのはそれから約一時間後、「奴」の姿が完全に視界から消えた頃のことだった。
対黄昏種の戦闘訓練を受ける俺達、第二駆逐隊は総員六名で構成されている。
余程のことがない限りチームがまとまって動くことはなく、ほとんどが単独もしくは二人一組での行動。
組み合わせも特に指示がなければ自由だが、大抵いつも同じ顔触れで定着していた。
マーベリックとスパス。
ストライカーとベレッタ。
そして、ミニミと俺。
前者二組に対して余り物のようなコンビだったが、俺達の相性も決してそう悪いものではなかった、と思う。
歪んだ正義感でもなければ己が快楽のためでもなく、ただただ仕事と割り切って淡々と黄昏種を駆逐する、ある意味一番イカれた者同士。
程好い距離感を保ちながら、これまで互いに上手くやってきたはずだった。
それなのに。
(なんで、こんなことに…)
『お前のプリン?…あぁ、さっき玄兎が食ってた。』
まじ許すまじ、くそストライカー。
あのくそ野郎は自分が食ってた癖に、嘘を吐きやがった。
(というかミニミも、仮にも相棒だろうが。俺の方を信じろよ…)
どっと襲い掛かる疲労感に、だがここで集中力を途切らせるわけにはいかなかった。
次の瞬間、丸焼きになるのは確実だ。
まったく、食べ物の恨みというものは本当恐ろしい。
ストライカーの野郎、まじ覚えてろよ。
あとでマジコロ。
(…とりあえず、先にプリンを買いに行くか。)
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こっそり悪男祭より。
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嘘つき、ロンリー。