タタラと部下
自分で言うのもなんだが、俺は至って普通の、どこにでもいる喰種だった。
必要最低限の食事さえ出来ればそれで満足で、勿論後々面倒にならないように『モノ』はきちんと選んでいたし、食べ残しだってしなかった。
人間絶許なんてこともなく、それどころか一時期は人間の友人がいたことだってある。
…まぁ、気付けばみんな、いなくなっていたが。
とにかく他の喰種達と同様、常に陰日向でのひっそりとした生活を心掛け、ハトに目を付けられるなんてとんでもないことだった。
ましてや『アオギリの樹』なんて、論外のはずだった。
「白兎。」
目を覚ました、つもりが目の前は相変わらず真っ暗で、しばらくの間ぼんやりとしてしまった。
そして不意にエトさんから日差し避けに本を借りていたことを思い出し、ようやくそれを下にずらす。
だが、それでも辺りはまだ薄暗いままだ。
アヤト辺りに蹴り起こされると思っていたが、どうやら不在だったらしい。
いつの間にか夜になっていて、内心舌打ちした。
「すんません…何すか?」
こちらを見下ろすタタラさんを見上げれば、目に入ったのは掲げられた一本のボトル。
「『ワイン』だ。呑むだろう?」
細められた目。
マスク越しでも何となく分かる表情。
この人がこうやって俺に『餌』を与える時はいつだって、後に面倒な仕事が待ち構えている。
そう分かっていながらも、ほぼ反射的に手を伸ばしてしまった俺は、所詮ただの喰種だった。
中毒者Bの主張
(メーデーメーデー)
(めいてい、めいてい)
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202500hitより。
キリリクありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。