スピットと悪友
「よぉ、スピ。」
チームの集会のはずが、何故か僕をいの一番に出迎えたのはメンバーではない白兎だった。
声を掛けられるまでその存在に気付かなかったのは、多分彼が『グループ・ボルケーノ』のユニフォームを身に着けていたからだろう。
「そのコート、どうしたんだい?」
「黒炎に借りた。」
その言葉につられるように、視線を周囲へと走らせる。
すると、少し離れた集団の中で苦笑する黒炎と目が合った。
「よく貸してくれたね。」
「貸さねぇと手品のタネをネットに流すって頼んだら快く。」
「…それは脅迫って言うんだよ。」
タイミング良く、黒炎がくしゃみをするのが見えた。
「そろそろ返してあげたらどうだい?今夜は冷えるよ。」
「あ?なら俺は風邪引いてもいいってか?」
「白兎にも黒炎にも風邪を引かれたら困るさ。」
まるで子供のような駄々をこねる白兎を宥め、思わず苦笑する。
代わりに僕のを貸すと約束してようやく、コートは無事黒炎の元に戻された。
「おら、早く寄越せ。」
そう白兎に催促されてコートを脱いでいると、ふと思った。
「彼シャツならぬ彼コートだね。」
「……誰が彼だ、コラ。」
そして手渡した瞬間、それは即行で手ごと叩き落とされてしまうのだった。
外套下の下心
(あれ?着ないのかい?)
(んなこと言われて着れるかよ。)
(でもナンパに使うんだろう?)
(………)
--------------
アンケートより。
リクエストありがとうございました!
戻る
嘘つき、ロンリー。