ザップと恋人
『ちょ、マジマジマジ!マジでヤベェんだって!!』
「あー、はいはい。」
『このままじゃ殺されちまうっ!!』
「あー、はいはい。」
『テメェェェェっ!ちゃんと聞いてんのか!このヤロォォォっ!』
「あー、はいはい。」
ライブラに向かう途中、掛かってきた一本の電話。
その相手をしながらレオは欠伸を一つ漏らしていた。
何せ今、電話の向こうで助けを求めているのはこの世で最も信用ならない人物。
しかも前科アリ。
こうして受け答えするのも馬鹿馬鹿しい。
『ぎゃああああああっ!!?』
うるさいなぁ…なんて思いつつ、ザップさんも演技が上手くなったなぁ…と妙に感心する。
まるで本当に「何か」から逃げているような荒い息遣い。
時折聞こえてくる「ドゴッ」やら「バキッ」やらの効果音は、一体どうやって出しているのか。
と、そこで再び電話口から声が。
『…もしもし?レオか?』
「!え……」
その瞬間、予想外の人物の登場にレオは思わず足を止めてしまった。
(え?あれ?ということは…あれ?もしかして、)
「白兎さん、スか…?」
『あぁ…おっと。』
『っぶねぇだろぉが、白兎!どこ狙ってやがる!?コレが使いもんにならなくなったら困るのはテメェもだろうが!』
『あ?俺は別に困らねぇなぁ…あぁ、でもそうか。今からお前が会いに行こうとしてる××の××女はさぞ困るだろうなぁ?』
『なっ』
『それともあっちか?×××が×××××な××××か?×××を××?×××××?』
『い、いやー…そのー……あの、うぎゃっ!?』
立ち止まったレオに通行人が数人、悪態を吐いて通り過ぎていくがそれどころではない。
自分を置き去りにして進む、電話の向こうのやり取りにただただ息を呑んだ。
『それで、…レオ?レオ?』
「うわ、あ、はい!」
『悪いな、レオ。俺達、今日そっちには顔を出せそうにないんだ。伝言頼めるか?』
「あ、はい…クラウスさん達には俺の方から」
『レ、レオ…ッ、たす』
ゴッ、と一際大きな音が聞こえ、反射的に耳から携帯を離す。
『…チッ…しぶてぇな、おい……』
そしてボソッと聞こえた言葉を最後に、通話は切れた。
「………」
ザップさんと会うことはもう二度とないかもしれない。
そう思いながら、レオはそっとそれをポケットに入れたのだった。
TEL from HELL
(何をやらかしたか知りませんが、迷わず成仏してください…!)
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七周年企画より。
企画へのご参加ありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。