クレイグと友達


「ムシャクシャしてやった。特に反省も後悔もしてません。」








「…って教師の言う通り、自分の気持ちを正直にゲロッたってのに何で俺カウンセリング行き?何でクレイグと同じ扱い?」

「うるせぇ。」


カウンセラー室を出たばかりだというのに、俺に向かってビッと中指を立ててきやがったクレイグは、もう一度戻ってマッケイ先生の指導を受けた方がいい。


そういう忠告を込めて、お返しにバッと立てた親指を下に向け、ついでにベッと舌も出してやった。

勢い余って少し唾を飛ばしてしまったのはご愛嬌、クレイグはものすごく嫌そうな顔で舌打ちしたが。


「汚ぇ、病気が移る。」

「いや、これくらいじゃ移らない…っていうか、そもそも病気持ちじゃないからね俺!なんて人聞きの悪い!」


たまたま近くを通り掛かった女の子達がクレイグの言葉を真に受け、ヒソヒソとこちらを睨んでいる。

誤解だ!こんなカウンセリング常連野郎の言うことを信じちゃいけない!


と声を大にして言いたかったが、悲しいかな、かくいう俺もカウンセリング常連野郎だった。

言った瞬間、ブーメランだ。


「でも俺、クレイグより断然マシだと思うんだよね。『僕達は友達!』って10回言えって言われた時のクレイグ、マジウケた。何あれ、何あの尋常じゃない震え。あれはトゥイークなんて目じゃなかったよ、うん。」

「…『僕達はティミー!』って叫んだお前も意味分からないけどな。とりあえずティミーに謝れ。」

「お互いのいいところを10個挙げろって言われた時なんか、最初の一つ目で詰まるとか。ひどくね?俺に対して失礼じゃね?」

「ズルして他の奴らのいいところを挙げようとした奴が何言ってやがる。それでも結局、何一つ出てこなかったクセに。」

「…………」

「…………」

「……………」

「……………」


そしてお互い顔を見合わせ、どちらともなく溜め息を吐き出した。


「…さっさとトークン達に合流して遊ぼうぜ。」

「ンーケイ。」


いい加減、こんなことをやっても無意味だと、大人達には理解して欲しいものだ。






これでも仲は良い方です。

(中指?親指?)
(あんなの、挨拶代わりですよ)

(ンーケイ?)


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嘘つき、ロンリー。