オルガとオトナ
※元ネタ。
その時、ビスケットはとある決断を迫られていた。
自分は一体どちらの味方をすべきだろうか。
片やこれまで苦楽を共にしてきた仲間、もう片や他と比べれば幾分かはマシな大人。
いつもなら迷う必要のないその選択肢に、だがビスケットは迷っていた。
「ん゙ーっ!ん゙ーっ!」
「あぁ、こんなところにいたのか、白兎サン。」
迷っていた。
物置にて、後ろ手に縛られ、猿轡をされた白兎を見付けたのはつい数分前。
確かにCGS解体直後、しばらくその姿が見えないことが気になってはいたが、てっきり見切りを付けて一人さっさと出て行ってしまったのだろうと、ビスケットはそう思っていた。
いや、そもそも誰が「監禁されている」などと思うのか。
それも犯人は、
「…オルガ。」
「ん?」
「白兎さん相手に、よく一人でこんなことが出来たね?」
「あぁ、ミカに手伝わせた。」
「………………」
万に一つの可能性に賭けた期待もあっさりと裏切られてしまった。
事も無げに吐かれた自白に、白兎からの視線が突き刺さって痛い。
逃げるようにビスケットは帽子の鍔を引き下げ、そしてとりあえず三日月には後で厳重注意しておこうと決意した。
いくらオルガに言われたからといって、やっていいことと悪いことがある。
「あー…こりゃあ、ひでぇなぁ…」
縄が粗すぎるのか余程暴れていたのか、その口の端や手首には血が滲んでいた。
だが言葉とは裏腹に、それらをニヤニヤと見下ろすオルガには助ける気は微塵もないらしい。
まずはその縄を解いてやるのが先決かと、とりあえずビスケットは迷うのを止めた。
解放された白兎はきっとオルガに一発、さらに三日月にも一発、拳骨を落とすだろう。
それから迷うことなく、ここを出て行こうとするに違いない。
迷うのはまた、その時でいい。
そしてビスケットはオルガの制止を無視して、白兎を縛る縄へと手を伸ばしたのだった。
コドモのイタズラ
その後、結局何やかんやで残留を決めた(決めさせられた)白兎にホッとすると同時に、ビスケットの脳裏にある疑問が過る。
あの時もし白兎を見付けなかったら、自分が気付かなかったら、オルガは一体どうするつもりだったのか。
「………………」
ビスケットは考えることを止めた。
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嘘つき、ロンリー。