三葉と兄
『三葉の兄貴って、本当美人だよな。』
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
(……“びじん”?)
いや、うん、まぁ、確かに。
妹の私が言うのもなんだけど、我が家の長男はそこそこ整った顔立ちをしている、方だとは思う。
これまでにも何度か、格好いい!って言われたこと、あるし。
…―本当、羨ましいんやけど!
…―というか本当にお兄さんなん?血繋がっとる?実は養子だったりとか…
…―…俺、白兎さんなら新しい扉、開けそうやわぁ……
(…………)
とりあえず、最後の一言は忘れることにして。
都会の子は変わった表現をするんやねぇ…なんて思いつつ、まぁ、誉め言葉には違いないと自分が言われた訳でもないのに、つい顔がニヤけてしまう。
そしてまた、瀧くんが残した日記を読み進めていると―…
「お兄ちゃんっ!」
「ふぐっ…!」
…何だかとっても良い夢を見ていたはずなのに、腹に受けた衝撃のせいで全てが綺麗に吹っ飛んだ。
というか、何だ今の衝撃。
絶対四葉の重さではなかった。
「み、三葉…?おま…本当、最近どうしたんや…?」
ここ数日、明らかに様子がおかしい。
例えば昨日なんてパンツ一丁の俺の姿にあれだけ慌てていたというのに、今日は朝っぱらから馬乗りしてくるとか、まるで別人のような振る舞いだ。
いくら難しい年頃とはいえ、これはひどすぎる。
兄ちゃん、ついていけない。
(何だ?親父か?親父のせいなんか?)
とりあえず下りろ…と布団の中から丁重に頼んでみたものの、そんなものを無視して三葉はさらに揺さぶりを掛けてきて―…
「巫女やったことあるって何!?どういうこと!?」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
何が何だか分からない
(あー…それはもう…昨日散々話したやろうが…)
(写真!写真はどこ!?)
(いや知らんし……昨日自分でどっか持っていきよったがね…)
(お兄ちゃーん?起きとる?……あ!お姉ちゃんがまたお兄ちゃん襲っとる!)
(またって何!?)
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六周年企画より。
企画へのご参加ありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。