瀧と同級生
※夢主にモブ彼女がいます。
「アレのどこがいいんだろうな。」
一瞬、心の声が漏れたのかと思い、ドキッとした。
そんな瀧の様子に気付くことなく、背後の会話は続く。
「アレって?」
「白兎だよ、白兎。ほら、またカノジョが来てんだろ。」
指し示されたのは教室中央。
瀧が見ているものと、同じもの。
「白兎、今日はどこで食べる?」
「あー、寝れればどこでもいい。」
「もう!昨日も遅かったわけ?ほら、早く立って!昼休みが終わっちゃう!」
返事の代わりに欠伸を洩らす『彼氏』と、その腕を引っ張って何とか動かそうと躍起になる『彼女』。
「わざわざ隣のクラスから毎度ご苦労なことだ」と誰かが笑った。
「あの万年寝太郎にカノジョがいて、何で俺達にはいないんだ!」
「母性をくすぐられるとか?」
「単純に顔じゃね?少なくともお前よりイケメンっしょ。」
「というか止めようぜ、この話。何か悲しくなってくるわー。」
「だってよ!……」
不意に同級生達の声が遠ざかり、目の前の光景も変わる。
暗い視聴覚室の中、机に伏して眠る白兎。
それを起こさないようにその隣に座って、同じように俯せになって、
そして、
『……きもちわるい。』
「瀧、飯行こうぜ。」
「あぁ。」
掛けられた声にほとんど反射的に応える。
それを合図に司と高木は歩き出し、瀧も二人の後に続こうと腰を上げた。
背後の会話はいつの間にか、昨日のバラエティー番組に話題が移っていた。
「ねぇ、白兎ってば!」
未だ諦めていないらしい『彼女』。
その後ろを通り過ぎる瞬間、ぼそりと、
「?瀧、何か言ったか?」
「いや、別に。」
耳障りな声が、ようやく消えた。
好き者同士の嫌悪感
「…まじ何なの、アレ。」
「あ?どうした?」
ようやく立ち上がった白兎は不思議そうな顔つきで、私の顔を覗き込む。
誤魔化すように「ううん、何でもない!」とその腕に自分の腕を絡め、
『………きしょくわるい。』
ギュッと力を入れた。
(あの時、私が白兎を迎えに行かなければ、一体何をするつもりだったのか)
(あぁ!考えただけで本当!キモチワルイ!!)
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プチ☆夏フリリク企画より。
企画へのご参加ありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。