不気味な泡とジョーク


元ネタ







一目で、それと分かった。

いつかの報告の中で見た、『都市伝説』。


(…ブギー、ポップ…)


筒の形をした黒い帽子に黒いマント。

まるで何かの物語から抜け出したようなその恰好は、異質でありながら不思議と現実世界によく溶け込んでいる。


質の悪い冗談のようだと、白兎は思わず笑ってしまった。


そしてようやく本来の目的を思い出す。


「…なぁ、そのマントで飛ぶつもりか?」


場所は雑居ビルの屋上。

声を掛けた相手は、柵の『向こう側』。


ついでに言えば二人の間に倒れ伏せた人間がいたが、それは白兎にとっても、振り向いたブギーポップにとっても最早どうでもいいことだった。


「個人的には『ほうき』がオススメだけどな。」

「箒?」

「いや、こっちの話。…ついでだから、お前もこっちに戻って来いよ。」


「見ていて心臓に悪い」と付け足せば、ブギーポップが肩を竦める。


「柵が邪魔だったんだよ。」

「柵が?」

「何だか世界を制限されてしまった気がしてね。」




一瞬だけ、白兎が笑うのを止めた。




「…そろそろ機構のヤツらが片付けに来そうだな。」

「そうか。それじゃあ僕はもう行くよ。」

「おー、じゃあな。『世界の敵』の敵さん。」


交わされるのは、まるで友人同士のような別れの挨拶。

ご丁寧に手まで振ってみせた白兎を一瞥し、ブギーポップはその場から姿を『消した』。


「……なぁ、聞いたか?世界を制限だってよ。」


一人取り残された白兎は誰とはなしにそう呟いて、笑ってみせる。

つい先程までブギーポップがいた辺りの柵に触れた。


「ひでぇ冗談、言ってくれるよなぁ…」




『制限されているから世界』だろ。



そして『ジョーク』は柵を飛び越えた。




I can't fly!

本当、質の悪い冗談だ。


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アンケートより!
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嘘つき、ロンリー。