リドルと蛇寮の同級生
「リドル!」
廊下中に響き渡ったその声に、リドルは思わず口元に小さな笑みを浮かべてしまった。
だがすぐにそれを掻き消して足を止めると、さも驚いたように「白兎?」と振り返る。
そろそろ来る頃だと思っていた。
そして、この後どんな言葉が続くのかも、リドルには分かっていた。
(『ダメじゃないか、』)
「ダメじゃないか、一人で出歩いたりなんかして。ダンブルドア先生が言っていただろう?今は危ないんだぞ。」
まるで台本の台詞をなぞる役者のように、少々大袈裟とも取れる身振り手振りを交えながら、ここ数日の間ホグワーツで起こった事件について語り始めた白兎。
そこにリドルにとって目新しい情報は何一つなかったが、それでも最後まで話に付き合うことにしたのは相手が白兎だからだ。
そこそこ有名な純血の家系。
人当たりは悪くなく友人も多いが、成績は並み、いやどちらかといえば「落ちこぼれ」に分類される方だろうか。
一度勉強を教えたのをきっかけにすっかり懐かれてしまい、最早リドルの中では友人というよりもペットに近い感覚だった。
血統書付きの、間抜けな犬。
悪い気は、しない。
「…分かったよ。もう一人で出歩いたりしない。」
「本当に?」
「あぁ、約束する。でも、君だって一人で僕を探していたじゃないか。」
「だって、お前の側が一番安全そうだからな。」
「…………」
その瞬間リドルが目を細めたことにも、自分の言葉が一連の騒動の核心を突いていることにも、白兎が気付くことはなかった。
「…あぁ。絶対に僕の側を離れるなよ。」
そして何も知らない白兎は、リドルの言葉にただ嬉しそうに笑うのだった。
我がいとしの殉教者
(さぁ、全てを捧げよ、)
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七周年企画より。
企画へのご参加ありがとうございました!
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嘘つき、ロンリー。