キノと旅人


ある日のこと。

とある国でとある人にキノ達は声を掛けられました。


「やぁ、初めまして。旅の人かい?」


ニコニコと親しげに笑うその人はとても親切な人で、その国について色々なことをキノ達に教えてくれました。

おかげでキノ達は三日間、その国でとても有意義に過ごすことが出来ました。


ですが、三日目の朝。

出立前にお世話になった挨拶をしようとあちこち探してみたのですが、その人はどこにもいませんでした。



またある日のこと。

アルトの国でとある人にキノ達は声を掛けられました。


「やぁ、旅の人かい?」


ニコニコと親しげに笑うその人は見覚えのある顔でしたが、キノがそれを言うと「他人の空似だ」と笑われてしまいました。

そして少し不自然なアルトを披露してくれたおかげでキノ達は三日間、その国で謎の頭痛に悩まされることになりました。


ですが、三日目の朝。

出立前にとりあえず挨拶だけはしようとあちこち探してみたのですが、その人はどこにもいませんでした。



またまたある日のこと。

アル中の国でとある人にキノ達は声を掛けられました。


「やぁ。」


ニコニコと親しげに笑うその人はやっぱり見覚えのある顔でしたが、キノがそれを言うと「同じ顔は世界に三人いる」と教えてくれました。

さらにエルメスが「酔っ払ってるからそう見えるんじゃないの」と言うと、「手厳しいね」とまた笑われてしまいました。


ですが、三日目の朝。

出立前に最後の挨拶をしようとあちこち探してみたのですが、その人はどこにもいませんでした。



そして、またある日のこと。


「…もしかして君って俺のストー…いや、何でもありません。すみません。調子乗りました。ごめんなさい。だからその銃下ろして…!」







とある旅人の話
- a traveler -

「白兎さんも旅人だったんですね。」

「え?旅人に見えないかな?」

「そりゃあねぇ…いつもシャツにジーパン姿で、旅荷物も旅の相棒も旅の武器も見たことがないし。というか本当に旅してるの?」

「してる、と思うんだけどなぁ。現にほら、こうして色んな国で君達に会っている訳なんだし。」

「旅の目的とかないんですか?」

「それがどこかの国だか町だか道端だかで、引っ越したのか嫁いだのか逃げたのかした相手の姉だか妹だか友達だか恋人だかに渡して欲しいと預かった物があってね。それを渡すために旅をしているんだ。」

「ふーん…?」

「ちなみに預かった物というと?」

「確か、髪飾りだったか人形だったか指輪だったか手紙だったか、それ以外だったかな?」

「適当だなぁ。」


そして一人と一台は「まぁ、本人がそう言っているんだし、そうなんだろう」と、さして興味もなくその人が旅人であることを納得したのでした。


そしてまた、ある日のこと、


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五周年企画より。
企画へのご参加ありがとうございました!




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嘘つき、ロンリー。