乱馬と友人
ここしばらく姿を見せなかった友人は、何でも親子揃って中国に渡っていたらしい。
それがつい最近、とある事情により『女』になって帰ってきた。
…と言ったら少し語弊がありそうなので、改めてもう一度。
その友人はつい最近、とある事情により『半分女』になって帰ってきた。
「…それはそれで充分問題があるような…」
「あん?」
無意識に声に出していたようで、隣を歩いていた少女が不思議そうにこちらを見上げる。
そう、この少女こそが何を隠そう俺の友人、早乙女乱馬その人なのである。
「いや、何でもない。こっちの話。」
俺より少し高めの身長は今や頭一つ分は低くなり、これまで培ってきた筋肉も鳴りを潜めて非常にグラマラスな仕上がりに。
そしてその口に銜えた揚げたてのコロッケはつい先程、精肉店で手に入れた戦利品だ。
『お嬢ちゃん、可愛いねぇ。』
『やだぁ、もう。おじさまったらぁ!オホホホホッ!』
常日頃「普通の男に戻りたい」と言ってる割には、女であることを満喫していると思うのは俺だけだろうか。
まぁ、そんな俺も少なからずその恩恵を受けているのだが。
このコロッケ、まじ超うまい。
「よー、次どこ行く?」
「あー…金ねぇし、公園デートでもするか?」
ホクホクとコロッケを食いながら、乱馬の問いに答える。
その言葉に、特に深い意味はなかった。
ただ単に今の俺達が男女二人組だったから、冗談めかして『デート』と表現しただけで、
「?乱馬?」
だが乱馬は少し難しい顔をして考え込むと、「先に行っててくれ」とどこかへ消えてしまった。
一人取り残された俺は首を傾げるばかり。
それから数分後。
公園で合流した乱馬は、何故か『男』に戻っていたのだった。
男の矜持とは?
(って、何を今更。)
「何だ?デートの相手が俺じゃ不満だってか?」
「いや…というより俺が女役ってのが納得いかねぇ。」
「いや、お前、今まで女だったじゃん。」
「そういう意味じゃねぇよ。」
「は?」
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嘘つき、ロンリー。