【一人、二人、三人。】01
最近、部屋の様子が少し変わった。
朝起きて、一番に目に入る物の位置とか。
何となく目を引く服の色とか。
ひっそりと隠れるように置かれた、一冊の本とか。
そんな誰かに言われなければ気付かないような、言われても特に誰も気にしないような、何気ない小さな変化。
その意味を知っているのは多分、今のところ私だけ。
(『日記』にはそんなこと、全然一言も書いとらんかったけど多分…ううん、きっとそう。絶対、そう。)
「女の勘がそう告げる」と自信満々に一人胸を張ると、ふと『今の自分』に胸がないことに気が付いて、思わず笑ってしまった。
(水臭いなぁ…相談してくれればえぇのに。)
それとも、もしかして当の本人もまだ気付いていないのだろうか。
「…………」
冗談のつもりが、何だか少しありえそうな気がして、心配になった。
(……しょうがない…ここは一つ、私が一肌脱いであげよう!)
そしてポケットからスマフォを取り出せば、その画面に意地悪く笑う『男の子』の顔が反射して映っていた。
『僕』について
(服の色とか本の趣味とか、)
(らしくないそれらは一体誰の影響ですか?)
*前次#
戻る
嘘つき、ロンリー。