火神と同級生
※元ネタ。
「火神くん、あの人を捕まえてください。」
「は?」
「ほら、向こうが気付く前に早くしてください。」
「お、おう…?」
何で俺が…と思わねぇでもなかったが、正直迫力負けしてしまったというのはここだけの話だ。
そして、そんな黒子とのやり取りから数分後。
「おいテメェっ!いい加減止まりやがれっ!」
「嫌だっ!」
今も俺の前を走り続けるその背中に、黒子が俺に頼んできた理由が何となく分かったような気がした。
体格的には黒子とそう変わらねぇ同級生。
楽勝だと思ってただけに、全く縮まらない距離に舌打ちする。
「お前っ絶対アレだろっ!バスケ部だろっ!?そこはかとなくそんな臭いがするっ!スラムでダンクな臭いがするっ!」
「どんな臭いだっ!それっ!?」
「うるっせぇぇぇっ!」
何故か逆ギレされた。
ろくに説明もせずリタイアしてしまった黒子のせいで、向こうの名前も黒子との関係も知らねぇ。
知らねぇが、もうここまでくれば意地だ。
絶対捕まえてやろうと、そう思った。
「てかどうせ魔王かステルスの差し金だろっ!入学以来影も形も見てねぇってことはステルスかっ!?俺のキセキアレルギーを嘗めんじゃねぇぞ!見ろ!このじんまし、てうわぁっ!?」
話しながら走っていたせいか、盛大にコケた『標的』。
今しかねぇ!と一気に距離を詰めた瞬間。
「っし!捕まえ」
「ひぃっ…!」
小さな悲鳴に一瞬、伸ばした手が止まった。
(あ…?)
座り込んだまま、怯えるようにこちらを見上げる目。
小さく震える肩。
それに手には何か、白くてフワフワとした物を握り締めていて、
「す、隙ありぃっ!」
「!しまっ…」
って、ここ二階だぞ!?と制止する間もなく、窓の向こうへと消えた後ろ姿。
慌てて窓に駆け寄れば、何事もなかったかのように遠ざかって行くのが見えた。
ラビットフットの効能
「っは…良かっ」
「何が良かったんですか、火神くん。」
突然近くで聞こえた声に思わず肩が跳ねる。
そして振り向けば、
「捕まえてくださいと、僕は言いましたよね?」
今度は俺が悲鳴を上げそうになった。
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嘘つき、ロンリー。