藍染と元友人
※尸魂界篇の後の話。
※四番隊隊長しか登場しません。ご注意を。
誰よりも長く、誰よりも近くにその身を置きながら、何故誰よりも早くその真意に気付かなかったのか。
そう責め立てるだけならば、きっとまだましな方だろう。
厄介なのは、彼の者にも叛意があるのでは、と未だ疑う声が上がること。
「卯ノ花隊長もそう思われますか?」
「いえ。もし仮にそうだとしたら、貴方は何故未だここにいるのでしょう?」
「尸魂界に弓引くつもりがないから…と思わせておいて、その裏をかいているのかもしれません。」
「それはそれは、何とも自虐的なお答えですね。」
そう苦笑を浮かべながらも、無理もないことだとどこか冷ややかな思いが卯ノ花の中にはあった。
あの日、護廷十三隊五番隊隊長の裏切りがあって以来、その最たる友人であったこの隊士はどこに居ても一挙手一投足に周囲の視線が集まり、まるで針の筵のような日々を送っている。
同じく近しい立場にいた五番隊副隊長が臥していることも、余計拍車をかけている要因なのかもしれない。
「…恐らく、この身の潔白を証明する方法は一つだけでしょう。」
独り言のようにぽつりと呟き、腰に下げた自身の斬魄刀を見下ろす白兎。
その意図を察した卯ノ花は先回りをするように口を開いた。
「敵とはいえ、相手はかつての友。生半可な覚悟では、斬るどころか刃を向けることさえ叶いません。貴方にそれが、」
「出来ますよ。」
「俺の親友は、壁に磔にされて死にましたから。」
「雛森副隊長もそうやって割り切ってくれれば良かったのですが…まだ若い彼女には酷な話でした。」
「……………」
「少し長居し過ぎましたね。そろそろ仕事に戻ります。」
そう言いながら腰を上げた白兎だったが、すぐに何か思い出したように「あぁ、そうだ」とその動きを止めた。
「正式な辞令はまだですが、今度一番隊に配属されることになりました。」
「一番隊に?」
「えぇ。総隊長直々の監視下に、ということでしょうね。」
「…………」
「なので、あいつらには『次、面倒事を起こした時は総隊長の拳骨を覚悟しておけ』と伝えておいて下さい。」
卯ノ花の背後から微かに聞こえてくる呻き声。
その目覚めはきっとまだ先の話だろう。
「分かりました。治療を終えたら伝えておきましょう。」
「よろしくお願いします。」
「ですが貴方も、面倒事はほどほどになさって下さい。」
卯ノ花の言葉に「以後気を付けます」と笑い、今度こそ四番隊の救護室から退出した白兎。
その後ろ姿を見送り、卯ノ花はそっと溜め息を吐いた。
「…あれで上手く笑えているつもりなのでしょうか。」
友情の示し方
(片時も手放さぬその刀は、)
(来るべきその日を独り静かに待ち続けている)
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呪術祭(改)より。
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嘘つき、ロンリー。