月島と同級生


ふと壁に掛けられた時計を見ようとして顔を上げた瞬間、その線上にいた月島とばっちり目が合ってしまった。


「………」

「………」

「……何?」

「あ、いや、別に、何も…ハイ。」


慌てて目を逸らせば、一瞬眉を顰めたものの、それ以上何も言わず再び手元の携帯に視線を落とす月島。

そのことにホッと溜め息をこぼすと同時に、何となく釈然としない気持ちになった。


(というか、『何?』って何?)


ただ目が合っただけで、別に悪いことはしていない…はずだ。

それなのに何故、まるで俺が悪いような、責められるような口調で言われなければならないのか。


(そもそも俺は時計を見ようとしただけであって、「目が合った」ということはむしろ月島がこっちを見ていた、というわけで……)


なんて言った瞬間、確実に「自意識過剰」と鼻で笑われるのが目に見えていたので、あえて言わないが。

今この場に山口がいれば、きっと「白兎も大分ツッキーの性格に慣れてきたね」と苦笑するに違いない。


(いや、そうだよ…それもこれも全部、山口のせいだ。)


俺が高校に入学して一番最初に仲良くなった友人。

その流れで月島とも話すようになり、ほとんど三人一緒に行動するようになったが、山口がいなくなった途端にこのざまだ。


何とも言えない、気まずい沈黙に包まれてしまう。


初めはその度に「山口の存在って偉大なんだな…」なんて感心していたものの、最近はどうもわざとこうして月島と二人っきりにされているような気がしてならない。

日誌を置きに教室を出て行った後ろ姿を見送ってもう随分と経つが、職員室に行って戻ってくるだけ…にしては少々時間が掛かりすぎているような気がしてならない。


なんて、俺の被害妄想だろうか。


「……………」

「……………」


とにかく何でもいいから早く戻ってきてくれ、グッチー。


ちなみに余談だが、前に一度だけ、俺も親しみを込めて月島を「ツッキー」と呼んだことがある。

呼んだ瞬間、「ツッキー」から何とも言えない顔で睨まれたのも、よく覚えている。


本当に余談だった、というか本当にあれは余計なことをしてしまったものだ。

それが今影響しているのかどうかは知らないが、結局その後も山口が戻ってくるまで、俺達の間で会話らしい会話が交わされることはなかった。




友達の友達は友達ではありませんでした。

(それで、どうだった?白兎とメアドの交換とか出来たの?)
(……してないよ。)
(え、……そっかぁ、またダメだったんだね、ツッキー。)
(…………)


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245500hitより。
キリリクありがとうございました!




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嘘つき、ロンリー。