恵と元同級生


※原作終了後。










ここ数日、何となく身体の調子が悪い。

疲れでも溜まっているのだろうか。


なんて、友人らと軽く雑談を交わしたのはおよそ一時間前のこと。

その友人の内の一人に何故かやたらと心配されてしまい、気付けばいつの間にか友人の知人の知人の…という何だかよく分からない繋がりの関係者からの紹介で「お祓い」を受けることになった。



のだが。



「うわぁ…遠くから見てても思ったけど…うわぁ…」

「ちょ、何だよ?何が見えてんの?すっげー不安になるんですけど…」

「ゴメンゴメン。」


指定された待ち合わせ場所に現れたのは、同い年だという虎杖クン。

「お祓い」というのでもっとこう、年配の厳かそうな人がやるのかと思えば、そういう専門学校に通っている学生ということで少し拍子抜けしてしまった。


ただ、気安くて気軽なのはいいものの、先程から軽い調子でさらりと怖いことを言われるのが逆に怖い。


「でも、うーん…これは、なぁ?」


そう同意を求めるように何もない空間を振り向く様子が本気で怖い。

と思っていると、「あれ?」と虎杖クンは不思議そうに周囲をキョロキョロと見渡し始めた。


「あ、いたいた。おーい、伏黒?どうしたんだよ?」

「ふしぐろ?」


何となく聞き覚えのある名前につられ、虎杖クンが呼び掛けた方向、その斜め後ろに目を向けると、虎杖クン同様この辺では見たことない真っ黒な学生服姿が。

どうやら元々、連れがいたらしい。


そして、ふと気付いた。


「……伏黒?」

「………おう。」


ゆっくりとした足取りで近寄って来たのは、顔に見慣れない傷があるものの、確かに無愛想な元同級生だった。


「え、知り合い?」

「小中一緒だった。な?」

「おう。」

「なんか伏黒って、中学の知り合いとかに会うといつもそんな感じになるよなぁ…」

「…うるせぇ。」

「あ、俺、伊地知さんに終わったって言ってくる!」


伏黒の鋭い睨みに怯むことなく、虎杖クンはそう言うとどこかへと行ってしまった。

その後ろ姿を見送り、取り残された俺達。


「…どうせまた、肝試しか何かに行ったんだろ。」

「行ってねぇよ。散々お前にボコボコにされて懲りたわ。」

「そこまでやってねぇだろ。」

「他に心当たりって言えば…一回デートで彼女から近道だって言われて通った場所ぐらいか?実はそこ、結構有名な心霊スポットだったって後から聞いたけど。」

「…そんな女、さっさと別れろ。」

「もう別れた、というか振られた?渋谷のハロウィンではぐれて以来音信不通になってる。」

「…………」


卒業以来の、久し振りの再会だという割に普通に話していることが不思議だ。

いや、下手したら小中時代よりも今の方が多く言葉を交わしているかもしれないな、なんて。


(……あぁ、そっか。伏黒は、あの頃から何か見えて)


「………次、」

「え?」

「次、また何かあったら言えよ。」


連絡先、教える。

ややそっぽを向きながらそう言ってスマホを取り出した伏黒は相変わらず無愛想で、何だか妙にホッとしてしまい、俺は思わず笑ってしまった。





分かりにくいやつ

(…って、あれ?「次」って、今日のお祓いは?)
(済んだ。)
(えぇ?いつの間に…)
(虎杖もさっき「終わった」って言ってただろ。)
(あー、言われてみれば…?そういや、なんか肩も軽い気がするわ。サンキュ。)
(………おう。)


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呪術祭(改)より。
企画へのご参加ありがとうございました!




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嘘つき、ロンリー。