凛と幼馴染
※小学生時代?
幼馴染みの兄ちゃんは小さい頃からサッカーがすごく上手で。
それに影響されて幼馴染みがサッカーを始めるのは当然の流れで。
となると、その幼馴染み以外に友達の少ない俺もやっぱりサッカーを始めたくなるわけで―…
「ダメに決まってんだろ。」
「えー?」
いつものように、幼馴染みこと凛ちゃんに手を引かれながらの学校帰り道。
もうかれこれ何度目かになる主張は、案の定これまで通り即行で却下されてしまった。
幼馴染みの兄ちゃんこと冴くんと凛ちゃんが二人フィールドを駆け回るその姿を見ているのは楽しかったが、俺も一緒にそれに参加することが出来ればもっと楽しいはずなのに。
「冴くんだって、前に『お前も結構センスある』って言ってくれたよ?」
「DFとしてだろ。でもお前の体格じゃすぐ相手選手に跳ね飛ばされて怪我するだけだし。ま、百歩譲ってGKなら考えなくもないけど。」
「え、本当に?」
「兄ちゃんと俺がずっとゴールを決め続けてれば、お前の方にボールが行くことはないからな。」
当然のように言う凛ちゃんの言葉に、ふとその光景を想像してみた。
結局見てるだけなら今とあまり変わらないような気もするが、同じフィールドに立って見れるならそれはある意味特等席なのかもしれない。
「じゃあさ、俺GK目指すからサッカーやっていい?」
「ダメだ。」
「えー?」
百歩譲る、と言ったばかりのその口で二度目のダメ出し。
何でだよーと抗議代わりに繋いでた手を軽く揺らしてみれば「ちゃんと歩け。危ないだろ」と怒られてしまった。
とにかく凛ちゃんは俺が怪我するのが嫌らしく、だからこうして毎日登下校などの移動中は手を繋いで転ばないように誘導してくれる。
昔からのことなので俺としては何の違和感もなかったが、その様子に同級生のほとんどが俺達二人は兄弟だと勘違いしていた、と知ったのはつい最近のことだ。
「糸師凛は上にも下にもブラコン」と笑って話している同級生がいたため、「え?凛ちゃんに弟はいないけど」と俺が訂正したところでようやく発覚した。
その一瞬、空気がぴしりと固まった。
苗字が違うので複雑な家庭環境なのだろう…と誰もが気を遣ってこれまでに直接確認することが出来なかったらしいが、俺に友達が少ないことも一つの原因なのかもしれない。
「分かった。じゃあ俺、これから友達増やして凛ちゃんの応援団作るよ!」
「ダメだ。」
そして、三度目の「えー?」が俺の口からこぼれ落ちたのだった。
申請が通りません。
「別にサッカーもダチも凛の許可はいらねぇだろ。」
(そう呆れたように冴くんに言われるのは、もう少し後のことだった)
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嘘つき、ロンリー。