玲王と幼馴染


※モブ同級生視点。










昼休みも半ばの教室内。

ほとんどの生徒が昼食を終えて各自思い思いに過ごす中、未だ弁当を広げて食べているやつらがいた。


いや、正確に言えば、食べさせているやつと食べさせられているやつ、がいた。


「なぁ、凪。ほら、あとちょっとだから。な?」

「んー…」

「これ食べたら、玲王が保健室で寝られるようにしてるから。ほら、頑張れー。」

「あー…」


机に懐くように突っ伏す凪と、苦笑混じりにその口元に食事を運ぶ白兎。

何となくどこかで見た光景だなと思えば、最近家に遊びに来ていた従姉妹と絶賛離乳食チャレンジ中のその子どもが脳裏を過る。


いや、あいつら幾つだよ?自分で食べさせろよ、というか自分で食べろ。

そう見ていてイライラするのは自分だけだろうか?なんて周りを見渡せば、二人を眺めながら「尊い…」「まじ癒やされる…」と頬を上気させる女子達(と一部男子)の姿。

どうやら実際イライラしているのは自分だけらしい。


と、そこで軽く悲鳴が上がった。


「白兎、終わったか?」

「あと一口ってところだな。」

「なら、もういいだろ。保健室行くぞ。」


視線を戻せば、いつの間にか二人の間に新たな人物が登場。

というか、まじか。まじで保健室を昼寝に使う気か。一体どんな手を使ったんだ、あの御曹司。


ほのかに感じる金の力(もしくは権力)に慄いていると、いそいそと弁当を片付け始める白兎の横で御影が手馴れた様子で凪をその背に負う。

その光景は旦那が迎えに来て、帰り支度を始めた従姉妹家族と同じだった…っていや、だから本当何でだよ?

あいつら、同い年だろ?何だ?前世は親子か何かだったのか?


「俺、保健室より白兎の膝枕がいい。」

「えぇ?俺の膝なんて硬いだけだぞ?」

「じゃあ中庭の方に行くか。」

「ちょっ、玲王まで…」

「いいか?凪は特別だから白兎の膝を許すんだからな?」

「うん、分かってる。」


そう最後までごちゃごちゃとやり取りしながら教室を出て行く三人を見届けると、何となく教室内の喧騒が通常に戻ったような気がして、無意識にそっと息を吐き出した。


色々とツッコミどころは満載だったが、とりあえず何故白兎の膝枕を使うのに御影の許可がいるのか、気になるところだった。





副音声でお送りいたします

(その後、トイレの帰りに何となく視界に入った中庭のベンチで)
(凪に膝枕する白兎と、その隣で白兎の肩に片腕を回してスマホをイジる御影の姿があった)


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嘘つき、ロンリー。