>>2016/02/12 (Fri)
>>19:14
『南国より愛を込めて』
未来設定、マレーシアテスト中の啓介と姉ちゃん


寒波がやってきては突然春の陽気に変わる日本の冬は大変だなと他人事のように思う。年間を通して平均30度前後の気温となるここは南国マレーシア。高温湿潤の気候は日本の夏と似ていることから、ここ数年GTAでは夏レースを模したテストを2月に行っている。

本日はオフ。長いテスト期間の中間にあたる今日は、全チーム全参加者はマシンから離れるようにと言われている。あるドライバーは後輩を連れてプールへ、ある監督は気心知れたスタッフらとゴルフへなど、リフレッシュに勤しむ。

「は〜…楽園だわ…」

SNSで日本の状況を見、故郷群馬の冬景色を少し懐かしく思いながら、ハンモックに揺られ現地のガイドブックやら持参した文庫本などを読んでいた。南国の空気を吸い込み、見上げた晴れ渡る青空に鳥が飛び、ハンモックを結わえた木々の葉がそよ風に揺れて影が動く。自然とまどろみがやってきて、そのまま委ねてしまおうとしたときだった。

「みーっけ」

半分閉じた重い目を無理やり開けた。木々の葉とは違う影が落ち、青空を見せないかのように。

「……What are you doing here…?」
「Will you date me? Lady.」
「…質問を質問で返さないで。啓ちゃん」
「TRFのホテル知らなかったからその辺ブラブラしてたんだけどよ、偶然ハヤトさん見つけたから教えてもらったんだ。何やってんの?アネキ」

影を落としたのはニカッと陽気な笑顔の啓介だった。マレーシアの陽に焼けた肌にトレードマークの金髪はよく似合う。

「おねーちゃんは今パラダイスにいるの〜。邪魔しないで…」

起き上がりたくなくて、ハンモックで寝返りをした。ら、急に腕を引かれて強制的にからだが起きる。

「こらぁ!怒るよ啓介!」
「だあってこーんな天気よくて気持ちいいのに寝てんのもったいないじゃん。だから、デートしよ、アネキ」
「チームガールズ誘えば」
「あいつらとデートする時間があるならオレは不機嫌なレディを笑顔にしたい」
「…お兄ちゃんに似てきたね」
「ほれ行くぞアネキ。買い物してー、メシ喰ってー、オレの部屋でいちゃいッテェ!」
「調子に乗らない!奢ってよね啓ちゃん」
「やっり!アネキのオフはオレのものー!」

すっかり大人になって責任を負った逞しい背中の弟が、芝生の上で飛び跳ねている。いくつになっても変わらない啓介がTシャツをはためかせ、手を差し出した。その笑顔が眩しくて。

「行こうぜアネキ!」

顔が熱いのは、南国のせいよ。


おまけ
「ん〜スイカスムージー最高!」
「アネキそのまま。セルフィ撮ろーぜ」
「…どうすんのそれまさかSNS」
「おうよ」
「ちょ、まってやめてああー!」
「へへっ国内のヤツらに自慢〜」

#マレーシアテスト
#dayoff
#shopping
#date
#mydear
#love


*****

>>2016/03/08 (Tue)
>>22:30
『あなたなしでは』
涼介兄ちゃんが好きすぎる妹。


「お兄ちゃん」

呼べばいつも応えてくれる人は今日も不在。最近、私が眠った深夜に帰ってきて、私が目覚めるともういない…そんな日ばかりだ。今日こそは帰ってくるまで起きていよう、そう思って特に急ぎでもない書類作成や資料のまとめをしていたら気付いたときには朝まで眠ってしまっていて…まともに会えていない。

「ンなこと言ってもアニキ学会近いとかで忙しいって言ってたじゃねェかよ。オレだって会ってねーんだよ」
「はあ〜…お兄ちゃん不足だ…エンプティだあ〜」
「オレがいるじゃんアネキ。な?」
「わたしはお兄ちゃんがいなきゃ死んじゃう…」
「…オレはアネキに振られたら死んじゃう」

兄のいない自宅。リビングのソファで啓介に不満を漏らすが解消されるはずもなく。 ごろんごろんとぐうたれていたら、時計は日付を変えていた。

プロジェクトが終わって以降、宣言通り慌しい毎日を送る兄は、今頃大学の研究室だろうか。いつもそこで何を学んでいるんだろう。私たちが知らない世界へ行ってしまうのかな。走りと同じ、誰も手の届かない、神様のような領域へ…

(さみしい)

無断で兄の部屋に入ってしまった。主のいないそこはしんと静まり一層寂しさが募る。綺麗に整えられたベッドに腰掛け、目の前のデスクを見つめた。構ってほしくて部屋に来れば、しょうがないなと困りながらいつも振り向いてくれるチェアに、今、兄はいない。

「……はあ…」

吐いたため息は深い。姿勢を崩しベッドへ縋る。愛しい残り香に包まれ余計に苦しく切なくなるとわかっていても、そばに感じていたくてシーツに横たわった。

そのままどれだけ眠っていただろう。ただいまと、頬をやさしく撫でてくれる手で目覚めたのは、だんだんと白んでくる明け方だった。そっと目尻に触れる指先に嬉しくなって、

「おかえり、お兄ちゃん」

泣きながら笑って抱きついた。


*****

>>2016/03/30 (Wed)
>>00:35
『きみと過ごす春』
春の高橋兄妹弟。啓介とねーちゃん。


大荷物を持って姉が帰ってきたのは深夜だった。

「おーおー、すげェ荷物だな」

ドライバーのようにかさ張る防具類は必要でないにしろ、玄関には大小のバッグが溢れている。

「ただいま、啓ちゃん」
「遅かったなー、おかえり。荷物運ぶの手伝うぜ」
「ありがとう、助かるわ。一旦ぜんぶ自室にお願い」
「りょーかい」

岡山と富士にて隔週で行ったGT公式テストのため、しばらくチームに缶詰めだった姉。今日群馬に帰ると家に電話が来たときは啓介は年甲斐もなく喜んでしまい、声が上ずったほど。見かけよりずっと体力のある姉が運んだ荷物は重く、2、3個抱え階段を上る啓介は少しもたついた。早く片付けて、姉から今季の話が聞きたい、それより、久しぶりに抱き締めたいと思いながら。

「おつかれアネキ」
「はー、さすがに疲れた。ってもう1時なのね…」
「明日は?」
「オフ。癒されに久しぶりに伊香保の温泉でも行こうかなあ」
「ドライバー引き受けようか」
「啓ちゃん、大学は?」
「世間は春休みだぜ!FDのタイヤ新しいのにしたんだ、試すついでにオレも行くよ」
「え〜、ひとりでゆっくりしたかったのに」
「アニキも毎日遅ェし構ってくれないし、アネキは泊まりで帰ってこねェし、オレはさみしかったんだからな」
「もう、子供みたいに」

自室に運ばれた荷物を解きながらの姉弟の会話。さみしいと口を尖らせる弟の仕草が微笑ましかった。

「伊香保の桜、咲いてたらお花見していこっか」
「オレも行っていいんだな!?」

にこり笑えば嬉しそうに抱きついてくる弟から、愛飲している煙草の香り。啓介のにおいだなあと力を抜けば、途端にやってくる眠気があくびを誘うのだった。


(おまけ。伊香保で拓イツに会いました↓)

「あ」
「あ?」

姉の声の先を見れば、知った顔。

「拓海くん、樹くん。こんにちは」
「ちわーっス!」
「どうも。お久しぶりです」

石階段の上りと下り。交わった視線は少し冷たくて。

「呑気に花見してる場合かよ藤原。ちゃんと勉強してんのか?」
「啓介さんこそ気楽なモンですね、おねーさんとデートですか」

せっかく仲間になったというのにこのふたりは…と、近日始まる兄の計画に、少しだけ不安を感じた姉である。


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>>2016/04/04 (Mon)
>>23:04
『突然の好機に』
両片想いの豪さんと真ん中


ビニール袋を両手に持ち沿道を歩く小さな背中。パッパとホーンを鳴らすと振り向いたのは、意中の人。

「よ。珍しいな、ココ歩いてんの」
「びっくりした。派手な音と思ったら豪だったの」
「うっせ」

路肩に寄せてハザードを出す。助手席の窓を開けての会話が、もどかしい。

「乗れよ。どこ行くか知んねェけど送る」
「いいの?助かるなあ、これお弁当だから」

ありがとうと乗り込んだ彼女は作業つなぎの上部を腰に巻き付け半袖のTシャツ姿。今日の神奈川は初夏のようだった。

「あそこのお弁当屋さん。いつもは人数分たくさん配達してもらうんだけど、今日は工場スタッフ少ないし散歩がてら歩いて行ったの。そんな遠い距離でもないし」
「てことは送るのは工場でいいんだな」
「うん」

歩くには適度な距離は、車で走ればほんの数分。もっとこのまま居たいけれど、仕事中の彼女を引き留めることも出来ず。

「ありがとう、豪」

ほら、もう着いてしまった。

「また山に来いよ。信司も会いたがってたぜ」

違う、本当はオレが会いたい。

「うん。開幕戦が始まる前に一度は必ず行くね」

ドアノブに手を掛けたら、さよならだ。だけど。

「あ、豪。ちょっと待ってて」
「?ああ」

弁当の入った袋を大事に運び出し、工場の中へ。その姿をずっと目で追っていた。

(……重症かな、オレ)

公式テストだのパーツ開発だのと、忙しい彼女とはまったく会えていなかった。だから今日、道で見かけたときは心臓が本当にうるさく跳ねた。相当だなと、ハンドルに突っ伏し深く息を吐く。

コンコンと、窓を叩かれて。

「今日はありがとう。お礼にどうぞ」

窓ガラスを下げる。笑顔で手渡された缶コーヒーは、この陽気と自分の感情を落ち着かせるにぴったりの冷たさだった。サンキュと彼女を見上げれば、意外にも近距離なことに気付く。

「っ、」
「どうかした?」
「な、んでもねェよ」
「……豪、そのまま目つむって」
「なんで」
「目蓋に睫毛がついてるの。目に入ったら痛いでしょう?」

言われたままに彼女を見上げながら目を瞑る。柔らかい指先が触れて、そっと取ってくれるんだろうと思いながら。そうだろうと、思っていた。

柔らかいのは間違いじゃない。ただ、これは

「〜ッ!ちょっ、おま!」
「ばいばい!また走りに行こうね!」

彼女は手を振って急いで工場へと駆けていく。行くな何か言わせろよアホ!

目蓋じゃなく、触れられたのは前髪を分けて半分だけ開けた額。指先じゃなく、触れたのは、くちびる。からだも顔も、火照ってヤバイ。

「くっそ…ッ!今に見てろよ!」

缶コーヒーをもってしてもまだまだ火照りが冷めそうにない。今日の神奈川は初夏のようだった。


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>>2016/04/09 (Sat)
>>00:24
『今年もここから』
未来設定の開幕戦


10月に最終戦、11月に表彰式、冬の間はイベント尽くし、気付けばもう4月で…。オフシーズンはあっという間に過ぎていった。

「毎年のことだけど、オフってほんと短く感じるわ」
「夏休みの小学生みたいな感想だな」

この前テストで来たばかりの岡山国際サーキットなのに、みんなの表情、まわりの空気、飛び交う言葉、すべてが先日とは違いうきうきしている。ここにいる全チームが、楽しそうなのだ。

「新しいマシンはどう?」
「パーツ開発から乗ってっけど、イマイチ感触がなー。日毎に癖が強くなってきやがる」
「ふふっ、それってマシンが自分の性格を知ってほしいって言ってるんじゃない?もっと仲良くなりたいから、教えてくれてるのよ」
「そんな可愛気のあるヤツかあ?」
「好きな人に自分を知ってもらいたい女心なの。わかってあげて?」
「オレはもっとお前のことが知りたいけど?」
「はいはい優勝したらね。今後の勢いつけるために、初戦勝つよ」
「ちっはぐらかしたな」

設営が終わった自陣にて。陽が暮れた金曜の夕刻。さあ、大事な予選日がやってくる。

「あ、言い忘れてたけど」
「なんだよ」
「ようこそTRFへ。来てくれてありがとう、北条選手」
「…敵わねェな、その笑顔には」


*****


>>2016/04/25 (Mon)
>>14:34
『あなたがくれた幸せ』
涼介さんと過ごす結婚記念日。
※娘さんいます。


「今日で5年目だな」

記念日の月になると、あと何日で…といつも呟いていた夫。当日の今日は特に言葉尻が明るく軽い。今年で何年目だっけ、なんてうっかり忘れることは、彼と一緒にいる限りやってこないだろうな。

「もう涼介さん、毎日そう言うから耳タコです」
「オレたちのために忙しくも頑張ってくれるお前が、大事な日を忘れてしまわないようにだよ」
「忘れませんよ。スケジュールにちゃんと書いてあるし、それに素敵な『リマインダー』がいるから大丈夫です」

くすくす笑えば彼も微笑む。頬を撫でてくれた指はそのまま、私の胸元へと。

「よく飲むなあ。妬ましいほどだ」
「こら、変態さん発言ですよ」
「小さなプリンセス、今日だけはママをパパに譲ってくれよ」

夫の指はふくふくの桃色の頬へ。懸命に母乳を飲む姿に、夫婦揃って目尻が下がる。

「可愛いな」
「涼介さんの娘ですもの」
「お前によく似てるからだよ」

毎日が急ぎ足で過ぎていく。休まる暇もないほどに忙しい。だけど、すべて愛娘と夫のためならば、それは厭わない。

「昼寝させてくるよ」
「涼介さんにできるかしら」
「知らなかったか?寝かしつけは得意なんだ」

うとうとしだした娘を抱き上げ、胸元にあったあたたかい体温が離れていく。

(幸せも、急ぎ足で過ぎていくのかな)

何気ない日々に幸せを感じるも不安は尽きない。あの子が成長していくのは嬉しい。だけど、体温が、手が、離れてしまったら。

(やだ、生まれたばかりなのに)

「たくさん飲んで疲れたのかな、すぐ寝たよ」
「ありがとう、涼介さん」

子供部屋から戻ってきた夫がまた、私の頬を指で撫でた。やっとふたりの時間だなと、目を細めて。

「幸せだと、思うよ」
「…私も、同じこと思ってた」
「オレの幸せは、お前がくれた。オレは幸せを…、お前とあの子を一生守ると誓うよ」
「…ふふっ、プロポーズみたいね」
「特別な日だからな。おい、そんなに笑ってくれるなよ」
「ふふふ、ごめんなさい。幸せだから、笑いが止まらないの」

不安は一瞬で掻き消された。
急ぎ足な毎日で結構じゃないか。
この人と一緒なら、そんな毎日をずっと幸せでいられるのだから。

「あの子がもう少し大きくなったら、FCに乗せてデートしたいな」
「あら、私のシートは譲りませんよ」
「考えたくないけどいつかは他の男の助手席に乗るんだぞ、それまで譲ってやってもいいじゃないか」
「ダメです。FCでデートするのは私とだけにしてください」

涼介さんと結婚してよかった。
心から思いました。
喧嘩もするけど、笑って、ふざけあって、たくさんお話して、また笑って、ふたりで、あの子を育てていきましょうね。

「結婚してくれてありがとう、涼介さん」
「バカ、それはオレに言わせろよ」

幸せな毎日を、ありがとう。


*****


>>2016/07/24 (Sun)
>>23:57
『魔物が残したもの』
今日のSGT Rd4菅生、あまりに劇的だったので勢いで書いた、お相手未来設定啓介

霧雨の降る朝だった。本当に今は夏かと疑ってしまうのも仕方のないほど冷えた朝だった。どのチームも今日は苦戦するだろう。こう気温が低いとあっては、マシンもタイヤも温まらない。

「だから、タイヤがもったのかしら」

グリッド中盤からスタートしたそのマシンは、他チームのアクシデントにより投入されたセーフティーカーの恩恵をモノにし、ピット戦略に出た。

「監督のギャンブルっていつも当たんねーんだけどよ、今日はばっちりキマったんだよな」

セーフティーカーが入ることは、順位によるマージンがゼロになること。後続マシンはそこから一気に追い上げることも可能になる。

「路面温度とタイヤ選択の勝利ね」
「オレの集中力の勝利って言ってくれよ」
「あれだけプッシュされてるんだからちょっとミスしてくれてもよかったのよ?」
「ベテランの兄さん方に追われて大変だったオレをちっとは労わるとかないの?」
「こっちは今季の初優勝がかかってたの」
「オレらだって同じだっつの」

レース中盤のピット作業で決めた、タイヤ無交換の選択。そのころから、空に、アスファルトに、光が射していた。

「あのときはまだ路面が冷えていた。ニュータイヤに熱が入るのを待つより、前半の冷えた路面のおかげで消耗が少なく済んだユーズドを使い続けるほうが、後続を引き離せる。監督のギャンブルに賛同したのはオレだよ」
「ヒヤヒヤしたでしょう、あれから段々気温が上がってきたから」
「ほんとだよ、ペースも上がんねーし、兄さんらに追いつかれるし」
「それを狙ってたんだけどなあこっちは。まあ、赤旗で終わっちゃったけどね」
「アイツ怪我なくてよかったよなあ、レッカーされてんの見たけどゾッとしたぜ」

これもレース、されどレース。もう少しで追いつけ追い越せの瞬間の、他マシンによるタイヤウォールクラッシュ。赤旗が掲げられた後、レースはチェッカーを待たず打ち切られた。

「恨みっこなし。言いたいことはみんなあるだろーけどよ、スポーツマンシップっての、オレらは持ってるつもりだぜ。何が起こるかわかんねーのがレースだろ」
「まあ!一丁前に言っちゃって!」
「アネキだってよく言ってんじゃん、『だからレースは楽しい』って。走るたびに経験値が増える感じ、オレすげー好きだよ」
「啓ちゃんだって、それ、昔から言ってる」

ドライバー記者会見、各メディアインタビュー、各チーム反省会。すべて終わって、今は、敵ではなく。

「一旦群馬帰ろっかなー、アニキに褒めてもらいてーよ」

ただの姉弟となり、戦いのあとのサーキットを歩く。

「私に褒めてもらわなくていいの?」

霧雨の降る曇天の朝から、雲が薄れ、陽が射し、青空になり、今はオレンジが混ざっている。ひぐらしの鳴く、夏の夕暮れ。

「褒めてよ、アネキ」

汗で萎びた金髪が愛おしい。成長した逞しい体躯と、昔から変わらない無邪気な笑顔。

「仲間だったら、完全に甘やかしちゃってたな」
「オレはアネキと敵でよかったよ」
「うん。私も」

だって、どれだけ強く、速くなったか、一緒に走って、確かめたいもの。

「優勝おめでと、啓介」
「ありがと、アネキ」

鎮まったサーキットに、ふたり以外誰もいないことを良しとして。念のためと、その体躯で隠すように、賞賛と感謝のキスを。


*****