2020/10/02
『オレンジと朝日』
酒井と同僚さんのお話
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夏より穏やかな朝日。空気が澄んで清々しい秋晴れの空。
(うっ、目にしみる)
玄関の掃除中、降り注ぐ太陽の眩しさに背を向け目を瞑る。こんなに心地が良い日ならいつもは笑顔で伸びをして気合いを入れるのだけれど、今日はその光が辛い。瞼の裏まで刺激される。
「おい」
「てっ!」
目を開けたらまだ眩しかった。おかしい。自分は太陽と逆向きのはずだ。
「酒井」
「突っ立ってんなよ、手が止まってる」
ファイルを片手に小言を言う男。同僚だ。
「叩いたわね」
「このままだと開店に間に合わないだろうからな」
「ファイルで叩く理由になってない」
東堂商会、朝の日課は社員の店舗掃除。日毎に担当箇所を変えながら受け持つ。今日は自分が玄関の担当だった。
「寝不足か」
「なんでわかんの」
「目元のコンシーラーが昨日より濃い」
「は?!」
目ざとい。というかいつわかったんだ。出勤してから顔を合わせた時間は僅かだぞ。
「貸せ」
「なに」
「箒。ドア拭きも済んでないとみた」
目を細めて口角を上げる酒井。いやこの男は元より目が細い。
「朝から楽しいことでもあった?」
「別に?」
「だって目が笑ってる」
「気のせいじゃないか?オレがまわりに何て言われてるか知ってるだろ」
「それは運転してるときだけでしょ」
「さてね」
ファイルを店内に戻し、箒を奪って陽の下に出た酒井。
(ああ、そうか)
さっき眩しかったのは、オレンジ色のせいか。
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酒井にバインダーで叩かれたいというフォロワーさんのツイートを拝借して。
酒井、あれ…、酒井初めて書いたぞこれ。