愛し花へ


「どうした、ぼーっとして。…おい、あきら?」

「うん…、…え、あ、ごめんお兄ちゃん」

「大丈夫か」

「なんか…変だな…。おかしい…ダルい…」

「熱は?ちょっと額貸せよ。…ああ、なさそうだな」

「でもね、ふらふらする。頭とからだが噛み合ってない気がするの。うう〜おかしいな〜…やる気が出ない…」

「からだが休みたがってるんだよ。今日はもう横になれあきら」

「でも、セット案仕上げなきゃ、明日組んで、試乗だから…」

「回らないその頭でいい案なんて出ないぞ。オレももう寝るから、一緒に早起きしてレポートやるか」

「…そう、する…。お兄ちゃんとこで寝てい…?」

「…こら、ったく、甘えん坊め」

「ひとり、眠れるかちょっと不安…、なの」

「…まくら、持っておいで。ああ、あのアロマ焚こうか。あきらの好きな甘いやつ」


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「わ、かわいい…」

「な、こないだ通ったときにこの店見つけたからさ、アネキこういう雑貨とか好きだろ?」

「うん、わあ、かわいいのいっぱい…!」

「…元気ないから、どーしたのかと思った」

「…ごめんね、心配かけて。自分でもよくわからないの、なんだかモヤモヤして、落ち着かないっていうか…うーん…」

「オレはさ、アニキみたいに筋道立てて理由を解明するのって苦手だからさ、『こういうときはこうすべき』って答えがわかんねェんだ」

「啓ちゃん」

「だからさ、モヤモヤむしゃくしゃワケわかんねェときはさ、自分のいっちばん好きなコトすりゃいいんじゃね?したら、どんなイヤなことでも吹っ飛ぶだろ」

「…ん…」

「今日さ、アネキの好きなとこ行って、アネキの好きな店で買い物して、アネキの好きなもん喰いに行こーぜ。あ、クリスマスのプレゼント、もう選びに行くか?」

「ふふっ、さすがにそれは早いよ」

「さっきみたいなむずかしい顔、ダメだからなアネキ。オレと一緒にいるときは、笑ってくんなきゃ許さねェよ…、あきら」



やさしさを妹に。元気を姉に。

オレたちへお返しは、めいっぱいのかわいい笑顔がいいな。





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元気になりたいすべてのお嬢さまへ。

2013,11月アップ