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>>2013/03/26 (Tue)
>>03:36
GT-Rと北条凜
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「あ……」
年一の健康診断を父の病院で受けた帰り、来客用の駐車場にて、久しぶりの姿を見掛けた。
(GT-R、あれ、34?)
彼の弟から、以前の32は手放したと聞いていたけれど、やはり、名前に愛着があったのだろうか。
気温が少し高く、コートがいらない気候になった今日、GT-Rから荷物を下ろしている彼は、シャツにスラックス、傍らにジャケットを携えていた。重そうなビジネスバッグを持っているあたり、ふらっと立ち寄った風には見えない。
ふと、顔を上げた彼と目が合い、彼もこちらに気付いたようで。ぺこりと会釈をし、彼に近づいた。
「ご無沙汰しています。北条さん」
にこりと笑みで声をかけると、彼も少し笑って。
「ああ、涼介の。久しぶりだな」
それこそ、あの最終戦以来だろうか。
走り仲間の北条豪のお兄さんが、兄涼介の先輩だと教えられたのは、そのときだった。
「今日はお仕事でここへ?」
「今の研究をこちらの医師とタッグでやっていてな。その打ち合わせだ」
「……まさか兄では」
「はは、さすがにそこまで一緒ではないよ、オレと涼介は」
聞くと、14時から打ち合わせだという。まだ1時間以上余裕がある凜は、院内を見て廻ろうと考えていた。
「私でよろしければ、院内をご案内しましょうか?」
「そうだな……何度か来ているが、医局への訪問ばかりだからな。頼めるか?」
「喜んで」
病棟の見廻りをしていたときに、担当患者の看護師に呼び止められ、薬の種類について問われていたら、
「あら、あちらの方、お嬢様じゃ……」
ひとつ下のフロア、渡り廊下。ガラス張りの通路は、他のフロアからも見えるよう、吹き抜けになって開放的でいて明るい。そこを歩く、妹と、何故に、あのヒトが、
「何やら楽しそうに笑ってらっしゃいますね、お知り合いの方かしら……、若先生?」
「悪い、薬の件はあとでFAXするよ」
「え、あ、はい……、ふふっ、そんなに慌てられなくても」
看護師と別れ、気付けばつかつかと足早になり、フロアを移動し、後を追った。
プロジェクトが終わって月日がひと回りした春。北条凜と話す、少し髪が伸びた妹の後ろ姿が、亡き彼女とダブって見えて、正直、焦った。
(取られる、とでも思っているのかな、オレは)
もしそうなったら、妹を取り戻すため今度は何でバトルをすべきかと真剣に考えてしまった自分に小さく笑う。二度とあんな悲しい戦いはしたくない。
「北条先輩」
そうこうして、ふたりの近くまで辿り着き、オレを見て笑顔の妹の頭を撫でてやる。
「お疲れさま、お兄ちゃん。北条さんに院内をご案内して差し上げていたの」
「よう涼介。さすが、院長のご令嬢だな。気遣いの出来る良い妹じゃないか」
「それはどうも」
「ウチの嫁にくれ」
「は?」
「何なら豪と結婚してオレの妹になr「箱根の崖から落とされたいですか?」……」
訂正。
妹のためなら、もう一度FCを引っ張り出して、このヒトと戦って勝ってみせようじゃないか。
(またGT-R買ったんですか?好きですね先輩)
(……イヤに突っ掛かるな涼介)
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前半のシリアスさはどこへ(^^)GT-Rあんまり出てこない…。34は捏造です。4ドア乗って下さい凛さん。32を破棄して暫くしたら、また愛車を見つけそうだなと。高橋と一緒で、彼も車なしの生活って有り得ないと思うので。
ID.ネタは長編モアザンワーズの妹ちゃんとまた違うパターンです。ご了承ください。