Q


>>2013/04/30 (Tue)
>>22:57
QQuarrel with Quiet Queen(池田/彼女)

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「いい加減、諦めたらどうだ」

「……」

助手席に座る彼女は、さっきからずっと口を開かない。

「また今度、っていうのがあるだろう」

「……いつよ」

「そこまではオレにもわからん」

「……うそつき」

「お前な、」

やっと喋った言葉がコレか。さすがのオレもちょっと堪えるぞ。

「じゃあ、ここじゃなくてわざわざ遠いところまで連れてってくれる?もしそこにもなかったらどうしてくれるの?」

「はぁ…。拉致あかんな」

「…竜次?」

「はいはい、オレが悪かった」


31%引きだかなんだか知らんが、彼女が好きなアイスクリームショップがキャンペーンをやっていると知り、良かれと思って声をかけたら『ちょうど限定フレーバーを試してみたかったの!』と嬉しそうに返事がきて、しかも天気は上々、気温も初夏の陽気で、冷たいスイーツにはピッタリの日。

行くとすればここだ、という近所のショップに赴くと、宣伝効果でかなり賑わっていた。ショッピングモール併設店舗ならわかるが、ここは路面店。しかもなかなか入店し難い立地であるのに、来る人は来るものである。

そして、冒頭に戻る。

毎月、特化して限定フレーバーを出すショップは、このキャンペーンに向けて例の如く用意しているらしいのだが、あまりに賑わいがあるおかげで、どうやら完売したそうだ。店にとってはありがたいことだろうが、オレにとっては後処理に困る。本音を言うなら『何て事をしてくれたんだ』そんな気持ちだ。

かくして、このぷりぷり怒って無口になった女王様のお心を、どうやって鎮めるか。オレの頭はそれでいっぱいだ。誘った手前、何とも言えないような気もするが。

……仕方がない。



「ちょっと飛ばすぞ」

「…どうするの」

今、オレたちがいる地点の先に、確か。

「苺パフェ、食いたくないか?」

「…アイスの代わりに?」

「あれは5月までの期間限定だろう、行ってみるか」

「…うん」


コイツも、お前のように素直になればもっと可愛いのにな。

ほら、前に行ったことを思い出して、少し笑顔が戻ってきてる。

期間限定がなくなる前に、早く連れて行かないとまた無口になるぞ。

コイツは、お前のように可憐で高貴な名前など到底似合わないけれど。

一喜一憂するワガママな女王様の相手をするのも、また楽しいもんだ。

行こうか、フェアレディ。





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奥山に続き、頭がスパイラルです。

Qの頭文字で思い付かなくて、奥山より悩みました。考え付いたのが池田という…。5th死神戦を観終わったせいもあるかな、いま、わたし、どうやら池田ワッショイです。かっ感激したぜ…!!(どうしてハイタッチがカットなんだぁあああ!!!!)

31ネタ。ソルベがおいしい季節になりましたね(^q^)