Q


>>2014/09/05 (Fri)
>>21:27
Quiet on the Quagmire(高橋)

凛さまリクエスト
お相手:涼介、啓介
ヒロイン:真ん中ちゃん

●ご注意くださいR18
兄妹弟でガッツリ致しているお話です。とっても甘いです。

パスは『J』と同じです。Dに馴染みのある言葉ですので、お調べ頂くとすぐにおわかりだと思います。

凛さまへのご挨拶はあとがきにて。

コチラよりどうぞ。

秘密めいた関係をもって、もう何年になるのだろう思った。『もらいものなんだけど』と母から受け取った、リゾート施設の宿泊ペアチケット。


「三人で、行ったらだめ…?」


地元から離れた県外ならば、人目を気にすることなどないから。あきらの願い通りひとり分のチケットを買い足して、高橋家の『仲良し』兄妹弟は、旅に出た。


_______________



夏休み後半は、学生にとって一番貴重な時間。夏の最後の思い出にと、各地へ出歩く旅行客が増える時期だ。訪れたのは、伊勢湾岸道路から直結の埋め立て地にあるリゾート施設。平日であろうが、大繁盛だった。


「うお、すっげ、ホンダばっか。ファミリーカー多いなー」

「鈴鹿が近いし、工場もあるからね」


それぞれが目立つ兄妹弟のクルマではなく、借りてきた父の愛車でやってきた。玄関口の大きな駐車場に停め、遊歩道を並んで歩く。陽射しが強くてからりとした夏日。早く泳ぎたい気持ちが走り、ゲートに向かう子供たちがはしゃいでいた。駐車場にたくさん停まるクルマたちを吟味してしまうのは、もはや兄妹弟のクセかもしれない。天気がいいからルーフ開けたくなるよなと、ミニバンに紛れたS2000を見つけた啓介は笑っていた。


「ゆっくり着替えておいであきら。ここで待ってるから」

「浮き輪もってきた?アネキ。空気入れとく」

「うん。じゃあ、お願い啓ちゃん。お兄ちゃん、行ってくるね」


ロッカーの前で一旦別れ、更衣室へ。迷いそうな広くて人が多い場所でも、涼介と啓介の居場所はすぐに見つけられる。家族だから、それもあるが。


「水着…これでよかったかな…ちょっと緊張する…」


今までの多忙な日々は、すべて旅行の日程を合わせるため。『秘密の恋人』になってこんなに一緒に、こんなにゆっくりできる時間は、本当に貴重だから。


「かわいいって、言ってくれるといいな」


ボブヘアをアップに結い上げて、小さな団子を作った。愛する恋人たちに褒めてもらいたいから、ぬかりがないよう鏡で全身をチェック。ふたりのことを想うと、笑顔になるし足取りも軽い。ジップアップパーカを羽織って、待ち合わせたロッカーの前へ。


「お待た…、せ」


早歩きで戻ってみれば、浮き輪の準備万端の啓介のまわりに知らない女性が三人ほど。涼介はそこにはいなかった。


「しっつけーんだってあんたら。連れと来てるって言ってんだろ」

「じゃあせめて連絡先とか教えてほしーなー!オニーサンLINEやってないの?」

「あーあたしも知りたーい!」

「だーもー、誰が教えるかっ、って…、まっず」


啓介の目線の先に、ぽつんと立つ最愛の姉。だが、あきらは啓介に背中を向けてあらぬ方を見ていた。まるでわざと人探しをしているような不自然さに、啓介は浮き輪を放って抱き締めた。


「おかえり、あきら。待ってたぜ」

「っ、啓、ちゃ」


背後から抱かれて振り向けば、先程の彼女たちはもういない。水着に着替えて待っていてくれた、笑顔の啓介しか見えなかった。その笑顔に、見慣れたはずの啓介に、不覚にもどきりとした。


「啓ちゃん、その、」

「んー?なに、あきら」

「そ、それ、名前、」

「だって、カノジョじゃん、オレの」

「だけどっ、」

「…アネキって、呼びたくねェんだよ。な?あきら」

「〜〜〜ばか、もう!」



嫉妬した。かっこいいから、どこに居ても兄弟は目立つ。こんな大胆になってはしゃげる場所だと、尚のこと女の子たちは黙っていないって。しかも、自分より断然、セクシーだったりグラマラスだったり、スタイルがいい子たちばかりが寄ってくる。夜の峠と変わらない状況が、あきらは少し嫌になった。


「ね、どんな水着?パーカ脱いでよ」

「…やだ」

「ミニスカみたいだな、パーカの下からふりふりさせて…誘ってんの?」

「ば…ッ違…」

「さっきの女たち、気にしてんのか」

「え…」

「ばっか。オレはあきらにしか興味ねーって。こんなに好きなのに、わかんない?」

「ちょ、啓ちゃんっ」


ロッカーに追いやられ、背中に冷たい感触が伝わる。とん、と顔の横には、逞しい腕。目の前で、『男』の目をした啓介が小さく舌を出した。


「なあ、見せてよ。あきらの、うまそうなカラダ」

「ば、か…!近いよ啓ちゃんっ」

「パーカのファスナー下げていい?つーかあきら、まじで美脚。たまんねー…」

「や、だ、ロッカーだよここ!あし触っちゃ、あ…っ」

「さっきの女なんかあきらに全然及ばねーよ、な、脱いでッテ!」

「…なにやってやがる啓介…もっと殴ってやろうか」


つつ、とあきらの脚に指を這わせた啓介を、涼介は遠慮なしに引っ叩いた。啓介を置いて、自分はロッカーキー用にコインが足りなくて両替機を探しに行っていたらしい。恥ずかしさで顔を赤らめたあきらは啓介から離れ、涼介の胸に抱きついた。


「啓介が怖かったか?あきら」

「…ううん、けど、エッチな啓ちゃんはきらい」

「だってよう、あきらがかわいいから!」

「バカか啓介、昼から盛るお前が悪い。そういうのは夜までとっておけ」

「お兄ちゃんまで!」

「…オレも、啓介のことは言えないからな。こんなコトされちゃ」

「え…?」


抱きついたことで押し付けられたあきらの胸。身長差から、ジップアップの隙間を見下ろした涼介がにこりと微笑む。


「かわいい姿、見せてもらおうかな」

「や…っ、おにいちゃ、」


ビッ、と勢いで下げられたファスナー。パーカが肩から落ちれば、白い柔肌が晒された。


「…ああ…あきらは本当に、オレの天使だ…!」

「アタマ大丈夫かアニキ」

「こんなに白が似合うのはあきらだけだ。天使でなければ他に何と言えばいい」

「つーかなんで白なんだよ!アニキのFCと一緒でズリィじゃんか!」

「え、と、その…っ、うしろ、見てほしいんだけど…」


あきらの胸を覆うビキニブラは、飾り気のない清楚なオフホワイト。脇から引き上げるホルタータイプのため、胸の谷間がくっきりと強調されている。くるりと背中を見せれば、啓介が嬉しそうに抱きついてきた。


「やべェ、サイコーじゃん!リボンめっちゃかわいい!」

「お店で見つけて、もうコレしかないかなって思ったの。あの、えっと、ホラ、」


前から見れば、ホワイト一色の水着。だが、首の後ろと背中で結われたリボンが、FDのようなイエローだった。


「カレシの好きな色って、カノジョにとっても特別っていうか…その、どうしても、白と黄色が着たくて、いっぱいお店探しキャッ!」

「愛してるよあきら。お前はオレたちをどうしたいんだ、こんなに煽って…タダじゃ済まねェからな」

「っかー、もー、かわいすぎる!うしろが黄色ってコトはさ、リボンを解いて脱がしていいのってオレだよなあきら!」

「…おい啓介、なにを言う。あきらのかわいい胸を覆うのは白だぞ、オレの色なんだからオレが脱がすのがセオリーだろうが。というかさっきからなんだあきらを名前で呼びやがって生意気な」

「いいじゃんかあきらのカレシだもんオレ!」


うしろから啓介、前からは涼介に抱き締められ、三人とも水着姿のまま肌が直接触れ合っているこの状況に、あきらは恥ずかしさが爆発し、顔はもはや湯気が出そうな茹でダコになっていた。


「もう!わたし先にプールに行っちゃうからね!涼介、啓介!」


いい加減にしてくれないと、からだが持たずに溶けそうだ。無理矢理ふたりから抜け出し、今度は涼介が真っ赤になる科白を捨てて、あきらはロッカールームから出て行った。


「〜〜〜…やられた…っ」

「このタイミングで"涼介"なんてなー。天使じゃなくて小悪魔なんじゃねーの?」

「追うぞ啓介!ひとりにさせるな、汚らわしい野郎どもがあきらを狙う前に捕まえろ!」

「へいへーい」




_______________



夏休み期間は、夜までの延長営業になっている。プールサイドの風が、ビキニのスカートをひらりと揺らす。ブラと同じく飾り気のないシンプルなスカートが、あきらの可愛らしさを際立てていた。落ち始めた夕陽に照らされた、波打ち際を歩くあきら。その姿はまるで幻想的だと、涼介と啓介は見つめている。


「思うんだけどさ、」

「なあに?」

「不思議だよな、夏のプールって」

「啓介、それは全世界の男が共通して考えていることだぞ」

「アニキ、わかる?」

「…どうしたの?」


流れるプール、たくさんのスライダー、水中アスレチック…たっぷり遊んで、今はゆっくりたゆたう波のプールにいる。浅い波打ち際に並んで座って休憩していると、啓介が呟いた。


「水着ってさ、ほとんど裸っつーか下着じゃん。その姿のままでいることがココじゃ普通なんだよな。恥ずかし気もなくむしろ露出して当たり前でさ。野郎にとっちゃパラダイスだよなあ」

「ナンパ目的かどうか、見ていれば一発でわかるからな。女子グループなんて恰好の獲物だぜ」

「…あきれた、もー、楽しいプールをどうしてそうヨコシマに考えるの?」

「ま、オレはあきらの水着が見られればそれがパラダイスなんだけど」

「もちろん、その下、もな…?」

「りょ、両方で囁かないで…!」


それを言うなら、男の人だって、魔法がかかったみたいにカッコよく見える。濡れた髪をかき上げて、上半身が肌蹴て、逞しい腕と引き締まった胸と…子供みたいに、はしゃぐ笑顔。


(魔法じゃなくて、本当にかっこいいんだけど…う〜…好きすぎて見ていられない…っ)

「どうした?あきら。具合悪い?」

「え、あ!ううん、だいじょぶ!私、お手洗い行ってくるね」

「アニキとココにいるから。迷子になんなよー」


_______________



「はあ…」


少し、落ち着こう。大体プールなんて、子供の頃によく三人で行ってたじゃない。それに、大人になってからも…恋人ってバレないように、三人で遊びに行って…だけど。


(お泊り、だもんな…)


さっきの、ロッカーでのこと。本当に、啓介の目が、ギラギラしていたから。血を超えた禁忌の愛を、受け止めて、求めて。この関係を、決して誰にも話してはいけないよと、想いを繋げたとき涼介に言われた鉄の約束。それ以来、繋がるのは専らそれぞれの部屋だった。外で…なんて、誰に見られるかわからない。とかく、兄弟は目を惹く存在だから。


(きっと、しちゃうんだよね。夜、とか)


考えたら、少しだけぞくりとした。嬉しさか、不安か。ずっとずっと、涼介と啓介が大好きで、ふたり以上に男の人を好きになることなんてなかった。兄弟愛が恋愛になって、初めて『からだ』を開かれて、もう、どれだけ経っただろうか。それでも、あの瞬間が、まだ慣れない。


(あーもー、心臓うるさい。とにかく、戻ろう)


少し崩れた団子ヘアを手直しして、ふたりが待つ波のプールへ戻る。涼介と啓介の背中が見えて、お待たせと声を掛けようとした、そのとき。誰かに肩を掴まれた。



_______________



「んーっ、んっ!」

「はあ、はあっ、きみ、めっちゃかわいいよね…!なに、カレシふたりもいんの?さっきからずっと、きみのこと見てたんだオレ…!」

(…っ、なに、この人…!)

「きみにヒトメボレしちゃったんだ、っ、近くで見たらますますかわいい…っカラダもエロいし…やっべ、起っちまったかも!」

「っ、っふ、んーんー!」


死角になる物陰に連れて行かれ、ざらざらした壁に背中を押しつけられた。摩擦で傷付いたのか、むき出しの肌がひりひりした。目の前の男は、同世代か、少し歳上か。メガネをかけた、一見真面目そうな男性。両腕を取られて口も塞がれ、両足の間に男性の右足が挟まって密着している。その中心が、ごりごりと固くなっていた。


(って分析してるバアイじゃない!マズい…このまま…!)


どうやらスライダーの足場付近、入り組んだ壁のようだ。大量の水の音と、きゃあきゃあと頭上から楽しげな声が聞こえる。だから尚更、ココで何をしていようが声を上げようが、周りには見えないし聞こえない。脚を使って振り払おうにも、ガクガクと震えて力が入らない。


「震えてんの?かわいいな…オトコに慣れてないんだね、ふふっ大丈夫、オレが教えてあげるよ…あいつらより、絶対うまいから」


男性の指が、あきらのスカートを捲くり上げてショーツをまさぐりだした。耳元で囁かれるのは、ただいやらしく気持ちが悪い声。叫べないし、動けない。怖くて、涙が止まらなかった。






「目つぶれ、あきら」




ガッシャアア…ン…!


さっきまで居た男性が吹き飛んだ。スライダーを囲うフェンスに突っ込んだのか、頭を押さえて呻き声を上げている。直後、プール監視員が数人やってきて男性を無理矢理連行していった。


「け、ちゃ、」

「遅くなってごめん」

「…っ、ん、ふ、」

「ケガは?」


ふるふると、あきらは何とか首を横に振ったが、力が入らず、震えが止まらない。怖くて、怖くて、啓介がぎゅっと抱き締めた。


「あきら!」

「おにいちゃ、っふ、っひっく、ふええ…っ」

「間一髪…でもないか。怖かったな…オレか啓介が一緒に着いてってやればよかった。ごめんな」


なかなか戻らないあきらを心配して、ふたりはあきらが向かったレストルームへ様子を見に行った。だが待てど暮らせど中からあきらが出てこない。入れ違いかと、波のプールに戻るときだった。


「落としたよ、あきら」

「…シュシュ…?」

「団子につけてたやつ。おかしいと思って、落ちてた周辺であきらの姿探したんだ。そしたらココでドンピシャだったなアニキ」


あきらの姿を見つけた途端、啓介はぷちんと切れた。相手の脇腹を蹴って吹き飛ばし、フェンスを凹ませた。涼介はその間監視員を呼び、強制連行を頼んでいた。


「怖かっ、た…!こわかったよぉ…っ!」


泣きながらふたりを見上げれば、安心させてくれるやさしい微笑み。マスカラ落ちてる、と涙と一緒に拭ってくれた啓介。かわいい団子が崩れてるぞ、とシュシュを付け直してくれた涼介。ふたりがいてくれてよかった。たまらず、ふたりの胸に飛び込んで、そして告げた。


「もう、離さないで。ずっと…、ずっと、抱き締めていて」




_______________



「ん…っ、ふ…う、」

「くち、もっと開けて」

「ふぁ…っんん…ッ」


着替えを済ませてプールから出てからずっと、あきらの目には元気がない。ふたりの手をきゅっと握って離さないまま、リゾート併設のホテルへと。先程の件があって、涼介と啓介はすぐにでもあきらを慰めてあげたかった。チェックインを済ませ三人で部屋に入った途端、和室の畳にあきらを押し倒した。


「脱がすよ、あきら。腰、ちょっと上げて」

「やっ…、啓、はやい、よ…っ」

「ごめん、もう、待てねーから」


涼介に深いキスをされながら、啓介はからだをまさぐっている。あきらのショートパンツをするりと脱がした啓介の息は荒く、性急な手つきが少し怖かった。


「焦るな啓介。もっとやさしくしてやれ」

「だって…!オレ、さっきのヤツ、早くあきらから消してーんだ!」

「だったら尚更やさしくしろ。愛しているなら、だ」

「…ごめん、あねき」


上体を起こすと、あきらの服を脱がそうとした啓介が足元でしゅん…と項垂れていた。怒られて耳を垂らした大型犬のようで、可愛くてたまらない。あきらはそっと、啓介の頭を撫でた。


「啓ちゃん、」

「ん…」

「…アツくて、べたべたするの。だから…」


脱がせて?


囁かれて啓介が見上げたあきらは、既に涼介のキスで火照り、求めるような潤んだ瞳だった。俄然火がついてしまった啓介は、涼介の待ったも聞かずにあきらの服を脱がし始めた。


「わっ啓ちゃんっ!」

「へへっ、大好きだぜあきら!」


イタズラ好きの弟がもぞもぞと辿った先には、柔らかな膨らみ。Tシャツをたくし上げて現れた、ビキニとは違うフラワープリントの可愛らしいブラ。豊満とは言えないがきれいな丸い胸元に、啓介は鼻を埋めて甘えている。


「こら、啓介ばっかりに気を許すな」

「んっ、おに、ちゃ」

「…名前、戻ってるよあきら。ちゃんと呼んで?」


くいっと顔の角度を変えられ、再び涼介に口を塞がれた。口唇をくっつけながら囁く涼介の声は低く、甘く、媚薬のように、耳から浸食していく。


「りょう、すけ…ぇ、」

「そう、いいコだ」


(あ…髪…)


昔から、涼介に髪を触れられたり頭を撫でられることが好きだった。不安をすべて消してくれる、魔法のような涼介の手。大好きな兄と、キスをしている背徳感。そのすべてを安心に変えてくれるように、大きな掌が髪を撫でてくれていた。うっとりと、涼介に委ねているその時に。背中でぷちんと弾ける音が。


「あきら、おっぱい見てい…?触りてンだ、オレ…」


はあはあと息を上げた啓介が胸元から見上げている。キスを邪魔された涼介がちっと舌打ちをしたが、触れたいのはこの兄も同じだった。涼介はあきらの上体を起こし、脱がされ途中のTシャツをぱさりと畳に放った。露わになったあきらの肌に、ふたりは喉を鳴らす。


「ブラ、取るぜ…。いい?」

「ん…」

「…どうした、ココ。少し血が滲んだ跡がある」

「え…、あ…っ」


(さっき、壁に迫られたときの…)


左肩甲骨のあたりを、涼介は指で辿った。少し痛かったのか、あきらはすんと鼻を鳴らす。


「……あの男か」

「え…?」


ブラのストラップを下ろしにかかった涼介の手に力が籠る。背中を預けた涼介を振り返れば、ぎり…、と奥歯を噛みしめる厳しい顔だった。


「あンのヤロー…!オレらのあきらにキズつけやがって…!」

「この綺麗な肌に触れていいのはオレたちだけだ。あきらは…あきらは誰にも渡さない!」

「きゃ…ッ、んんっ!」


肩甲骨の傷に舌を這わせ時々ちゅうと吸い上げる涼介が、腰から手をまわして太ももに触れる。啓介はあきらの熟れた口唇に喰らいつき時々、ちゅく、と水音を鳴らした。


「はあ…ン、あきら、もっと舌、だして」

「ふ、ん…っけ、す」

「かわいい…あきら、すっげ、きれい」


息を荒げ、キスの合間に掠れた声で啓介は囁いた。こんな、セクシーな声なんて、今まで何度か抱かれたけれど聞いたことがなくて。お互いの舌が絡み、ちゅくちゅくといやらしい音が、あきらの秘部をくすぐらせた。


「あきら、もっと見せて。オレたちに、きれいな姿を」

「ん…ゃ…あんまり、見ちゃ」

「抱いたの、コレが初めてじゃないのにさ…なんか、今日すっげー色っぽい…」

「この腰も…腕も、脚も…いつもオレたちを惑わせる。あきらは天使の顔した…かわいい悪魔なのかもな」


腕からストラップを下ろしブラを放り、あきらはショーツのみの姿。炎天下の屋外でも全身を覆うつなぎを着ているあきらの肌は白く、傷もなく、陶器のような柔肌だった。ふるん、と晒された胸は丸く、頂には小さな尖り。抱き締めたら折れてしまいそうな細腰は、緩く弧を描く。背中を愛撫する涼介、真正面から欲望をぶつけてくる啓介にとって、あきらは神聖で、守らねばならない存在。少し目を離した隙に、良からぬ者に傷を付けられた事実が、ふたりの鼓動を、荒馬のように変えた。


「あきらのおっぱい、イタダキマス」


甘いスイーツを目の前に出された子供のように舌を出した啓介は、右胸をふわふわ揉みながら左胸を舐めていく。尖りにきゅぽんっと吸い付いて、ぺろりと舌先で弄れば、あきらの顔が快楽に歪む。舐める様をわざとあきらに見せるように、丸い胸をぐいっと持ち上げるように揉みしだいた。


「きもちい?あきら。ちっちゃなかーわいいチクビ、こんなんなってるぜ」

「やああ…ッ!啓、す、あんっやあっ吸っちゃ…!」

「こんなに立たせて…へへ、えっちだなァ、あきら」

「ひゃッ!そん、な…こと、あああ…ん!やっ!」

「あきら…啓介にいっぱい触られて感じちゃった?ココ、すごく湿ってる」


太ももに触れていた涼介が、つ、とショーツに指を這わした瞬間。びくっとあきらの身体が跳ねた。背中から首、うなじ、耳へと舌を這わす涼介は、耳たぶを食みながら言葉を紡ぐ。


「ホラ、また…すごく、アツくなってる」

「やあ…っりょう、涼、すけぇ…ッ」


なんだか涼介の良いようにあきらが悶えていて、夢中で胸を弄っていた啓介にとっては面白くなかった。ぷは、と口を離してあきらを見れば、とろりと崩れた目を歪ませ、赤く熟れた口唇からひっきりなしに声を上げている。その、壮絶な色気に既に我慢の『が』の字もない啓介は、美味しそうな赤い口唇にむしゃぶりついた。


「んんーッ!ふぁ、っりょ、す、ふう…ん!」

「ふふ…啓介のキスで声が出ないね。それもまた…色っぽくて、かわいいよ」


耳に舌を入れながら低く囁き、さわさわと軽く秘部に触れる。もどかしくて、ちゃんと、シてほしくて。少し涙目になった


「んん…っ、ふっ、ゆび…やぁっ!」

「いやなの?なにが嫌なのか、ちゃんと教えて?」


吐息と一緒に囁かれてはたまらない。布の上から秘部の筋を通るように動かしていた指を、ショーツの中へ滑り込ませた。


「かわいい…まだ触ってるだけなのにこんなに濡らして…あきらはいやらしい子だね」

「ふう…んっ、んん、は、くる、し…っ」

「ほら、言わないと…もっといやなコトするよ?」


啓介はあきらの呼吸を飲み込み、指でまた胸を弄っていた。思考が、意識が、あちこちに飛ばされる。啓介に塞がれて喋れないことを知りながら、耳で睦言を囁く涼介の指が、つぷん…とナカへ。


「1本…」

「ひゃあ…っ」

「ぷは…、おいアニキ、キスの邪魔すんなよ」

「あきらのかわいい声が聞けないだろうが。啼かせてェんだよオレは」


長くしなやかな涼介の指が、いま、自分のナカに…。ビクつき、首を振って啓介のキスから離れれば、中断された弟がむう、と無邪気な顔をする。


「痛いか?」

「へー、き…、」

「ふふ、よかった。じゃあ、コレは?」


ショーツを脱がし、しとどに濡れた秘部へ、指が増やされる。質量が増え、あきらはひゅ、と息を呑んだ。


「あ、ああ…ん、」

「狭いな…何度やっても、お前のココは、小さくて、アツくて…指が溶けてしまうよ」

「ふあ…あ、おに、ちゃ…」

「…かわいい声、いっぱい聞かせてくれ」


ゆっくり、ゆっくり。これからの準備運動のようなやさしい扱い。きっと、もっと大きなものを受け入れたら、この小さな天使は壊れてしまうから。傷付けないように、そうっと動かす。涼介はあきらの背中にキスを落とし、安心させるように髪を撫でた。


「あんっ、や、あ、ああ…っ」

「奥まで入るよ、ほら…」


とろとろの蜜を指に絡めながら涼介は動かした。抜いたり入れたり、くるりと回したり…空いている他の指で、ぷっくり腫れた秘芽を押すと、とぷんと蜜があふれ出た。


「ふふ、このかわいい芽、あきらの好きな場所だったな…、啓介」

「りょーかいアニキ」

「ふぇ…?」

「オレとアニキの指で、いっかい、イカせてやるよ…あきら」

「や、あああああ……っはげ、し…っゆび、やああっ」


静かに動いていた涼介の指が暴れ出し、啓介の指が秘芽を弄り始めた。髪を撫でていた涼介の片手は右胸を揉みしだき、啓介は左胸の尖りをこりこりとつまみながら。


「あん、ああっ、ああああっ、も、だめ、だよ…ぉ!」

「あきら、イって、ねえ、きもちいい?オレたちの指、」

「きもち、い、から、もう…っ、イっ、ちゃ…ッ」

「もっと、激しくしてあげる…いいぜ、ほら、啼いてごらん、あきら…っ」

「やあああっ、キ、ちゃう、よぉ…!ああああああ!!」


びくんびくんと暴れる小さな身体を、ふたりはうっとりと眺めていた。秘部から透明な蜜がどんどん流れ、涼介と啓介の手を濡らす。未だ長い絶頂を感じているあきらは弛緩し、目は潤み、小さく開いた口で短い呼吸を繰り返している。そっと畳に横たえた涼介は、啓介と一言二言交わし、なにかを受け取った。


(…もう、ほし…い、よ…)


さっきから、背中に当たる涼介の堅いモノと、覆いかぶさる啓介のアツいモノがチラついて仕方なかった。自分は、こんなにいやしくて、はしたなくて、欲望にまみれた女だったのかと、ふたりに愛されるたびに思っていた。抱かれたら抱かれただけ、ふたりのアツい塊が欲しくなる。自分を、ふたりでいっぱいにしてほしくなる。うつろな目でぼうっとふたりを眺めていたら、涼介にちゅ、と額にキスをされた。


「年功序列な」

「ちぇ、ずっりーの」

「あきら、ちょっと動かすよ」



自分がぼうっとしているときに、ふたりはすべてを脱いで肌を晒していた。涼介の腕があきらの腰にまわり、ひょいっと抱き起こされる。


「あきらは軽いな。それに…柔らかい」

「…ふにふにだって言いたいの?」

「ふにふにじゃなくて、ふわふわだな。マシュマロみたいだ」

「やんっ!」


壁に背中をつけて座った涼介を跨ぐように、あきらは立膝をつく。腰に添えられた涼介の手がそのまま、柔肌の尻へ降りていった。


「ふふ…うまそうな尻だな」

「あ〜アニキ変態発言〜」

「ちょ、っと、涼介っ!あんまり揉まな、ああああ…っ!!」

「っく…!せまっ…」


ぐ…と勢いであきらの尻を落とした涼介は、既に限界まで起っていた熱塊を入れ込んだ。立膝のままあきらへ抵抗なく入ったものの、その大きさと狭さにお互いが顔を歪める。


「あ、あ…!」

「あきら…、すまん、痛かったか…?」

「ふ…ん…、ば、かぁ…っ!急に、なんて…!」

「悪い…オレも、そう、余裕なんて、ないんだ…っ」


涼介の肩に置いた両手に力が入る。下からズンズンと突き上げる塊が下腹部を圧迫し、苦しい反面、たまらなく、愛しかった。


「あきら…あきらっ、はあ、っ」

「りょ、う、すけぇ…、あん…っ」

「あきら、オレのも、やってくんね…?まじ、あきらのカオ、めっちゃエロい…」

「や…っ、啓、すけ…?」


横を見れば、大きく育った啓介の熱塊が。驚きはしたものの、はあはあと苦し気に自分を見ている姿に胸が鳴った。そ、と手を添え、先から零れそうな透明な液をぺろっと舐めれば、啓介がぴくんと反応した。


「ひもちい…?けい、ひゃ」

「う、わ…っ、あきら、やべェ…って」

「ふふ、よかっ、ひゃあああんっ!」

「…っ、コラ、啓介のしゃぶって、オレのを無視すんじゃねェよ…!」

「んんーーっ!!ひ、んん…ッッ!!」

「は、はあっ、あきら、もっと、咥えて、そ、舌、いっぱい使って…っ」

「ばかやろ、啓介…っ!せっかくのイイ声、聞こえねェじゃねーか…!」

「へへ…、アニキにいちばんオイシイとこ持ってかれたんだぜ…?このくらい…っく、あ…っ」

「ふうう…、んん、ひゃ、あ、ん、んっ、」

「ああ…いいカオだ、あきら…もっと、もっと見せてくれ…」


啓介の熱塊を咥えながら、涼介には激しく貫かれる。ふたりは空いている手で、あきらの身体中をまさぐった。いつも、自分を守ってくれるやさしい手は、今ここにはない。深い愛と、快楽と、独占欲にまみれた手が、あきらを包んでいる。


「ふ、く…う、あきら、イクぜ…っ」

「んッ、んんーーっ!!」

「ば、かっ、ンな、力込めんなっ、て!」

「ひゃあああっ、か、は…ああああッイ、っちゃ、また、いっちゃう、よぉ…!!」


律動が鋭くなった涼介に感じすぎて、ぐ、と啓介を締め付けてしまう。あきらの口から咄嗟に離れた啓介はそのまま、勢いよく白濁をこぼす。高揚したあきらの顔が白く染まり、涼介の突き上げでまた絶頂へと。涼介が薄い膜にすべてを注ぎ終わってもまだ、あきらはぴくんぴくんと震えている。卑猥なその姿に、ふたりは愛おしさが込み上げ
た。



_______________



「…おなか、いたい」

「はは…ごめんごめん」

「ほら、ここの湯、腹痛にも効くってよ!」

「うるさい啓ちゃん」


力が抜けて立てなくなったあきらを抱き抱え、部屋付きの露天風呂へ三人仲良く浸かっている。規模は小さめではあるが、趣ある石造りのものだった。


「染みる?さっきのキズ」

「ううん、だいじょうぶ」

「見せてみろ、ああ、かさぶたになってるな」


右に涼介、左に啓介。真ん中に自分。湯の中で手を繋いで、ふう、と息をついた。屋根の隙間から見える空はすっかり、星模様。


「さっきも思ったけど、」

「なに?」

「あきらって、肌、めっちゃきれい」

「オレはいつもそう思ってる」

「そう?あ、今日ちょっと日焼けしたかも…」

「じゃあ、あとでボディローション塗ってあげるよ。きれいな肌を労わってあげないとな」

「…やだ。涼介の手つき、やらしいもん」

「じゃあオレやる!」

「啓ちゃんはもっとエッチだからだめ!」



想いが繋がって、二度と抜け出せないこの愛を。

いつまで続くかなんて、考えたくもない。

三人いれば、なにも、怖くなんてないから。

兄妹弟の秘密は、永遠に。


凛さま

この度は20000hitリクエストのご応募、ありがとうございます。

大変…お待たせいたしました…!!とにもかくにも難産でして…!兄弟で甘いお話をR18で、という、コチラの自由度が割と高いご注文であったのですが…これがなかなか、R18の塩梅がわかりかねまして!今回とってもいい勉強をさせて頂きました!凛さま、本当にありがとうございます!サイト始まって初の、最初から最後まで致しているお話を書かせて頂きました!

ヒロイン指定がございませんでしたので、宅の真ん中とイチャコラさせてみました。啓介がアネキ呼びしていないことが最大のポイントです。名前呼びだと一気に『男』になりました。涼介さんはむっつり、啓介はがっつり、でガンガン攻めてます。色々と詰め込んだら長くなってしまいました…壁ドンとか…壁ドンとか…壁d(すみません好物なんで)

伊勢湾岸道でお気付きかもしれませんが、舞台はナガシマスパーランドです。プールと併設の長島温泉も登場しています。年イチくらいで遊びに行っている大好きなリゾートなんですよー。プール、すっごく楽しいんです(*^^*)あと、すこーし池谷のセリフを拝借しています。どこかおわかりでしょうか?ふふふ。

もっとえっちくねばっこく甘く!などなどご要望ありましたらぜひ仰ってください。勉強を重ねて、再度チャレンジいたします!

2014,9,5りょうこ