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「はっ……くしゅん!」
「…凄いな、何度目だ?」
「うぅ…くしゃみ止まらない…」
「この時期の赤城にそんなカッコで来るからだぜアネキ」
「連れてきたのは誰よ!今日は行かないつもりだったから何も羽織ってないの!もー啓ちゃんのバカ!」
「だ、だってよう!」
「あきらが風邪ひいたらお前が面倒見ろよ啓介」
「ちっ、わーったよ!これでも着てろ」
「わっ!顔面に投げないでよ啓ちゃん!」
「一本走ってくる。行くぞケンタ」
「あっ、ちょ、待って下さい啓介さん!」
「……啓ちゃん、パーカー、タバコくさい…」
「オレのジャケット貸そうか?あきら」
「…うぅん、ありがと。啓ちゃんの着てる」
「オネーサマに優しくするのが恥ずかしいんだな」
「なにそれ中学生?」
「…最近、赤城の上りのタイムが上がったんだぜ、啓介」
「そうなの?!」
「あきらに見せたかったんだろう。あきらの大学が終わるのを見計らって、迎えに行くと言って家を出ていったからな」
「……元々連れてくる気だったんじゃない、もう…」
「あとでナビに乗って見てやるといい。啓介も喜ぶ」
「ん、いっぱい誉めてあげなきゃね」
「……頬が冷たいな…啓介が戻るまでFCの中にいろよ、暖かいから」
「…ん、ありがと。そうする」
「アーニキー!アネキは?」
「冷えてきたからな、FCの中で待ってるぜ」
「アネキに隣乗ってほしーんだけど」
「FD出せよ。先にオレがナビに乗ってレクチャーしてやる」
「げ…マジかよ…」
FCにいるあきらちゃんは、弟のパーカーと兄のジャケットにくるまって、しばし、夢の中へドライブ中なのでした。
(気持ち良さそうに寝てやがる)
(可愛いじゃないか、安心してますって顔で)
(……安心、ね)
(安心しすぎも、困りモンだな)
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大学帰りに啓ちゃんに拉致られました、お姉ちゃんです。
宅の啓介はツンツンツンツンツンデレくらい。お姉ちゃんが好きって気持ちを素直に伝えられなくて、少ーしずつ少ーしずつ伝えていってます。赤城のタイムが上がった→大好きなお姉ちゃんにすぐ知らせたい!→でも優しくできない→orz
考えずに行動する感覚派なところを文章で表現できればなと思いますキリッ(`・ω・´)
2012,11アップ