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ロイヤルブルーの、ベアトップワンピース。

上質なシャンタンで仕立て上げられた、ふんわり可愛らしく広がる、サーキュラーフレア。

動く度に、揺れ踊る、高貴な蒼。

足元とクラッチバッグは、深い黒でまとめた。

仕上げに、パールのピアスと一連のネックレス。

これらすべてを纏い、立ち向かうは、



「地獄よ」

「…お前、そんな大袈裟な」

「お兄ちゃんはいいわよね、次期院長って位置がもう決まってるんだもん。私、お父さんの集まりに付き合う度にお見合いしてる気分…。ウチの嫁にーってもー聞き飽きたっつの!」


父が務める高橋総合病院の新病棟が完成した記念パーティ。自分たちの予定がない限り、父が関わるこのテの集まりには出来るだけ参加するようにしている私たち。だが、


「…啓ちゃん、絶対ウソだよね」

「だろうな」

「親子仲なんて、とっくの昔に直ってるのにね」

「…未だにオレと比べる人間がいるからな、顔には出してないけど、やっぱり嫌なんだろ、アイツは」

「遠征先の下見なんて有り得ないわよこんな夜に!」

「帰ったらいくつか課題でもくれてやるか」


私とお兄ちゃん、お互いの大学が終わって、家で着替えて、先に向かった両親より少し遅く、会場入りする予定。今、お兄ちゃんのFCで、会場へ向かっている。


「…地獄でも、せめて好きなドレスで気分上げとかないとやってられないわよ」

「あきらに良く似合うよ、その青」


オレの好きな色だ、と、運転しながら、ちらり、こちらを見られた。


「…使ってくれてありがと。そのネクタイ」

「あきらがプレゼントしてくれたからな、ふたりで出かけるときに使わないわけにいかないだろう?」


バーバリー・ブラックレーベルの、ボルドー色のネクタイ。

去年の涼介の誕生日に、あきらが贈ったものだ。

今、涼介の着ているブラックスーツに、ボルドーの赤が良く映えた。


「…また、どこかの院長令息さんに紹介されるのかな」

「嫌だろうが、父さんの顔もあるしな。少し付き合ってやるしかないだろう」

「…エスコートされるの苦手だし…下心ミエミエで気分悪い…」






「…なら、今日はオレから離れるな」

「え…?」

「いや、今日は、じゃないな。ずっと、あきらはオレが守るよ」

「お兄ちゃん…」

「嫌か?」

「うぅん…うれしい…」







優しい手に、守られ



美しく、可憐に



夜に咲く、蒼






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涼介さんに「守る」と言わせるのをちょっとためらいました。

5th箱根は観たいんですけど、切なくて苦しくなるので、複雑です。




そういや、凛さん、中村悠一、な ん で す よ ね ? !

アーケードの通りならばぬおぉぉおおお!!!はぁはぁはぁ(´Д`;)


2012,11アップ