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Dの打ち合わせのため、主要メンバーが高橋邸に集まりました。



「えっとー、カップ、人数分あるよね?」


私はみんなにコーヒーを淹れてあげようと、バリスタマシンに豆を入れて、キッチンで準備をしていました。


「あきらさん、手伝いますよ」


カップ多いから大変でしょ、と、ダウンヒルエース拓海くんが来てくれた。


「ありがとう拓海くん。助かるよ。でも、リビングにいなくていいの?」


Dの打ち合わせなのだから、話し合いの中に主役がいなくては意味がないんじゃないか?


「いえ、今は啓介さん中心の話なので。オレ、手ぇ空いてるんです」

「それならいいんだけど。じゃあ、ストッカーからクッキー出してもらえる?頭を使うときには糖分が必要だからね」


バリスタマシンが豆を挽いている間は、特にすることがなかったから、私と拓海くんは、キッチンのダイニングテーブルに収まった。


「拓海くんと二人だけでこうしてるの、なんだか新鮮」

「そうですね、いつも、誰か必ず居ますもんね」

「Dのみんなとは、うまくいってるの?……って訊くと、なんかお母さんみたい」

「ははっ、あきらさんみたいな可愛いお母さんならすっごく嬉しいですけどね」

「ちょ、拓海くんたら…」

「でも、オレとしては」








ガタ、






「…ん…っ」





「こういう関係のほうが、もっと、嬉しいです、あきらさん」







ダイニングテーブルを挟んで、向かい合わせに座っていた私たち。



拓海くんが、身を乗り出して、その…、ち、ちゅ、って




「……ッ!!」



急に恥ずかしくなってきた



え、ちょ、どうしよ…!!!!




「涼介さんと啓介さんに、負けませんから」



あきらさんの一番に、なってもいいですか?




……可愛い顔して、いつもほんわかして、私の癒しだとじゃれていた拓海くんの瞳が




キラリ、妖しく見えました










(藤原…!!あンの野郎…!)

(さっきからいないと思ったらそういうことか)

(奥手だと思っていたけど、やるもんだなぁ藤原)

(感心してる場合ですか史浩さん)

(ひぃぃ今度は兄弟揃って般若になってるうぅ…!!)










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たくみちゃん難しいです。

余談ですが新しいスタッドレスのホイールをRSワタナベに決めました!黒!おそろい!



2012,11月アップ