18
「だから、たった10日間でしょ?」
「……長ェ」
「もー……」
このやり取りが、かれこれ1時間ほど続いている。
来季GT戦のレギュレーション会議のため、チーム監督と共に東京へ出張、なのだが。
「……10日もアネキと離れんの、やだ」
「啓ちゃん、」
このワガママで可愛い弟を、どうやって納得させようか。もうすぐで家を出ないといけないのに。
「なんだ、どうしたんだ」
「アニキ」
「お兄ちゃん」
「玄関先に、レクサスが停まってるぜ。あきらの客か?」
「レクサス、IS?」
「ああ、黒の」
「やば、監督だ。行かなきゃ」
「アネキぃ……」
「わっ、啓ちゃん……!」
荷物を持って、リビングを出ようとしたら、大きな猫にくっつかれた。
「……啓介、あきらを困らせて楽しいか?」
溜め息と一緒に、ごもっともな発言をする涼介。
「啓ちゃん、」
身体に絡まる腕を、そっと解く
「『たった』、10日よ?」
目の前の猫は、しゅん、としていた
「毎日、夜に電話するから」
ふわふわの黄色を、優しく撫でる
「10日後、神奈川の研究所で解散なの」
腕を伸ばし、頬を包む
「迎えに来てくれると、嬉しいな」
触れるだけの、フレンチキスを
「お願い、ね?」
「……ん……、わかったよ、アネキ」
(少しは姉離れしろ啓介)
(アニキは心配じゃねェのかよ)
(心配に決まってるさ、他チームの連中がどれだけあきらを狙ってるかと思うとな)
(……やっぱ俺、一緒に着いてく!)
*****************
極短すみません。
このあと、黒ISの後ろにFDがひっついて、監督はぎょっとするしお姉ちゃんは怒るで、またまたしゅんとする啓介でした。
啓介を、にゃんこにしようかわんこにしようか結構迷いました。わんこだと絶対ゴールデンですよね、でっかくてふわふわで人なつっこくて従順でやさしいんです←家主宅のわんこ
2012,12アップ